メロディック・デスメタルの重鎮、アット・ザ・ゲイツが語った名盤制作秘話

ドラム・トラックに一部サンプリングを使用

ー『スローター・オブ・ザ・ソウル』のドラム・トラックの80%がライヴで、バスドラムの20%がパンテラ『ファー・ビヨンド・ドリヴン』、スネア・ドラムの20%がスレイヤー『レイン・イン・ブラッド』のサンプリングだというのは本当ですか?

本当だよ。別に隠すことじゃない(笑)。アルバムのドラム・サウンドにちょっとしたエッジを加えたかったんだ。提案したのはプロデューサーのフレドリック・ノルドストロームだった。当時はサンプリングという概念が面白くて「ぜひやってみよう!」とみんな乗り気だったのを覚えている。元々フリー素材として提供されたサンプルだったし、パンテラやスレイヤーに金を払う必要はなかったんだ。エイドリアン・アーランドソンのドラムスがメインだけど、要所でサンプリングを使うのは効果的だったよ。


エイドリアン・アーランドソン

ー「ザ・フレイムス・オブ・ジ・エンド」は元々ホラー映画『Day Of Blood』のために書かれたそうですが、その映画について教えて下さい。

その話はアンダース・ビョーラー(脱退済/ギター)に訊いた方がいいね。『Day Of Blood』は彼が作っていた自主映画なんだ。森の中で殺人事件が起きて……という内容で、5分ぐらいの短編映画だった。そのテーマ曲のデモを俺たちが聴いて、面白いと思ったんで、アット・ザ・ゲイツ・ヴァージョンにアレンジしてアルバムに入れたんだよ。あの映画は今でもアンダースがVHSのビデオテープを持っている筈だよ。仲間内のアマチュア映画だし、今のところ公にリリースする予定はないけどね(笑)!

ー『スローター・オブ・ザ・ソウル』発表後にバンドが最初の解散をしたのは、アンダースの脱退が大きな原因のひとつと言われていますが、彼が2017年に2度目の脱退をしてもバンドが活動を続けているのは、どこが異なるのでしょうか?

アット・ザ・ゲイツが最初に解散したとき、俺たちはこのバンドが自分たちにとっていかに重要であるかを再認識したんだ。アンダースは再び脱退することになったけど、残った俺たちはアット・ザ・ゲイツの音楽を愛しているし、新しい音楽を生み続ける渇望がある。そして世界中のファンのために続けていく義務があると考えたんだ。もちろんアンダースとは今でも友達だよ。実はこのインタビュー(電話)は、彼と一緒の飲み会をちょっと抜け出してやっているんだ。これから戻ってまた飲み直すところだよ(笑)。

Translated by Tomoyuki Yamazaki

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