メロディック・デスメタルの重鎮、アット・ザ・ゲイツが語った名盤制作秘話

「DOWNLOAD JAPAN 2020」に出演するアット・ザ・ゲイツ

3月29日、幕張メッセ国際展示場9-11でヘヴィ・ロックの祭典「DOWNLOAD JAPAN 2020」が開催される。

メタルやパンクの境界線を超えて、ベテランから若手まで強力なラインアップを揃えたこのフェス。マイ・ケミカル・ロマンスをヘッドライナーに迎え、ジ・オフスプリング、ミニストリー、アモン・アマース、バロネスなどが集結。最初から最後まで見逃せない豪華な布陣が揃っているが、ハイライトのひとつがアット・ザ・ゲイツだ。

スウェーデンのイェーテボリで結成、北欧メロディック・デスメタルの重鎮として君臨する彼らはダウンロード・ジャパンで1995年の名盤アルバム『スローター・オブ・ザ・ソウル』完全再現ライブを行なうことを宣言。現代のメタル・シーンにおける最重要作品のひとつが再現される機会は世界でも稀であり、日本でも1回のみ。“必見”という表現が控えめ過ぎるライブである。

バンドのヴォーカリスト、トーマス・リンドバーグは遂に実現する名盤完全再現に、興奮を隠せずにいる。彼にダウンロード・ジャパンに向けた抱負、そしてアルバムにまつわる秘話を語ってもらおう。

ーダウンロード・ジャパンへのアット・ザ・ゲイツの参戦、とてもエキサイトしています!

俺もだ! イン・フレイムスやアモン・アマースとは長年の、同郷スウェーデンの友達だ。マイ・ケミカル・ロマンスの音楽はあまり詳しくないけど、俺が教師をやっている学校で、若い生徒が彼らのTシャツを着ているのをよく見かける。すごい人気だということは知っているよ。ミニストリーと一緒にやるのは2008年、フランスのヘルフェスト以来だ。ミニストリーは最初の3、4枚のアルバムが大好きだったし、ステージの脇からでも彼らのショーを見れたら最高だね。バロネスとも友達だよ。彼らはヘヴィ・メタルを新しい次元に持っていく、才能あふれるバンドだ。フェスだと他のバンドをなかなか見れないことがあるけど、ダウンロード・ジャパンの出演ラインナップは最高だし、メタルのファンとして見たいバンドだらけだよ。

ーアット・ザ・ゲイツが『スローター・オブ・ザ・ソウル』を完全再現するというのもフェスの最高の見所のひとつですね。

ありがとう。『スローター・オブ・ザ・ソウル』完全再現はまだ1度しかやっていないんだ。フロリダ沖の「70,000トンズ・オブ・メタル」クルーズがワールド・プレミアだった。みっちりリハーサルしたし、すごい盛り上がりになったよ。さらに日本でのショー、それから夏のヨーロッパでのフェスに向けてさらにリハーサルを積むし、エキサイティングなショーになる。ダウンロード・ジャパンでの持ち時間はまだ聞いていないけど、アルバムを全曲プレイして、残りの時間は他のアルバムからの曲をやる。



ー「70,000トンズ・オブ・メタル」で『スローター・オブ・ザ・ソウル』ライヴをやった感想を教えて下さい。

まさに“嵐のライブ”だったな(苦笑)。「70,000トンズ・オブ・メタル」では2回ライブをやったんだ。1回目はインドアのステージで、いろいろなアルバムからプレイした。2回目は甲板(デッキ)のステージで『スローター・オブ・ザ・ソウル』再現ライブをやったけど、すごい強風でね、ステージの屋根を撤去してプレイすることになって、開演が数時間遅れたんだ。それで準備が出来たとき、船内放送で「アット・ザ・ゲイツのショー、これから始まります」って流したんだよ。非常警報みたいにね。相変わらず風は強かったけど、無事プレイ出来た。緊張感があって、良いショーになったよ。


トーマス・リンドバーグ

Translated by Tomoyuki Yamazaki

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