米民主党候補者討論会、初参加のブルームバーグ氏が完敗した瞬間

米ラスベガスのパリス・シアターで行われた第9回民主党大統領候補討論会開始直後に会場を見渡すブルームバーグ氏(Photo by ETIENNE LAURENT/EPA-EFE/Shutterstock)

現地時間19日の夜、11月の米大統領選に向けた民主党候補者討論会が開かれ、前ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグ氏が討論会でのデビューを果たした。控えめに言って、うまくいかなかった。

民主党の主要候補者に名を連ねるため、元ニューヨーク市長は私財を数億ドル単位で注ぎ込んてきたが、ラスベガスでの他の候補者からの猛攻撃には全く備えていなかった。

候補者たちはブルームバーグ氏の巨額の資産、セクハラ経歴、共和党員時代、市長在任中の人種差別、その他様々な点について代わる代わる批判した。対するブルームバーグ氏は反論にことごとく失敗し、観客からは何度もブーイングや呆れた声が聞こえた。一方彼のライバルたち--特に核心を突いた指摘をしていたエリザベス・ウォーレン氏--には歓声が上がった。

これが特に見られたやり取りを4つ紹介しよう。

1.ブルームバーグ氏を「横柄な大富豪」と呼び、開幕早々急所を狙うウォーレン氏

ウォーレン氏はTwitterで今週初め、ラスベガスではブルームバーグ氏を徹底的に追い詰めると予告していた。1秒たりとも無駄にしなかった。

「私たちが争っている相手について話します。女性を「太ったアマ」や「馬面のレズビアン」と呼ぶような億万長者です」と語った。「ドナルド・トランプ氏のことではありません。ブルームバーグ市長のことです」

「横柄な大富豪を別の横柄な大富豪に取り替えるだけでは、民主党は非常に大きなリスクを負うことになります」とも付け加えた。


2.ブルームバーグ氏をまたも切り捨てるウォーレン氏、今度はセクハラ騒動での秘密保持契約(NDA)について

ブルームバーグ氏が自社の社風について長々と語った後、ウォーレン氏は元市長の女性職員への対応について猛攻を再開した。この女性職員の中にはセクハラを訴え、秘密保持契約を結んで和解させて人も含まれる。「市長さん、彼女たちの言い分も聞けるように、女性たちをあの秘密保持契約から解放するおつもりはありませんか?」とウォーレン氏が尋ねると拍手が湧いた。

ブルームバーグ氏はNDAは彼が言ったジョークを女性たちが気に入らなかったことに関係していた「かもしれない」と言い、観客はそれに呆れた声で応えた。その後NDAは「同意の上で」結ばれたと続けるとさらに不平の声が増えた。これはいけない。

Translated by Mika Uchibori

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