envyワンマンレポ、唯一無二の轟音が描く世界とは?

曲間には、河合がマイクを通さず「うまく言えないっすけど、感謝してます! ありがとう!」と叫ぶと、彼に大きな拍手と歓声が贈られた。そこから、「Go Mad and Mark」で“静と動”の焼き付くようなコントラストを見せつけると、雨の音や自転車のかけていく日本の原風景が思い出されるような音が会場を包み、新アルバムの「Hikari」へ。この楽曲は、アルバムの中で唯一の日本語タイトルがついた曲だ。“Light”ではなく“Hikari”と題して表現したかったものは何であろうか。

気がつけばもうライブも終盤。「Dawn and Gaze」を披露し、深川が「envyの道がこれからも続きますように」と呟くと、本編ラストは新アルバムの最後を飾る「A Step in the Morning Glow」へ。改めて、朝焼けのような光に6人のシルエットが浮かび上がるライティングとステージの絵作りに目を奪われた。演奏を終えた6人がステージを降りると、鳴り止まない拍手はすぐにアンコールへと変わった。

再び6人が姿を表すと、新アルバムにゲストボーカルとして参加したRopesのAchikoが登場し、「Rhythm」を披露。彼女の透き通るような歌声とともに、楽曲は別次元の美しさへ。この日7人で披露したのは1曲だけであったが、その大きな可能性に観客は目が釘付けになっていた。



そこから、「A Warm Room」でさらにもう一段階ギアをあげたかと思うと、全てを焼き尽くすかのような「Farewell to Words」。観客も共鳴しこの日一番の盛り上がりを見せ、本公演は終了した。

新アルバム『The Fallen Crimson』単体の良さを表現するだけではなく、過去曲とうまく重ねることで、envyの新たな姿を見せつけられるようなライブであった。25年の歴史のその先に期待が高まる。

Photo by Yoshiharu Ota



<開催概要>

envy
LAST WISH “THE FALLEN CRIMSON” release oneman show

開催日:2020年2月11日(火・祝)
会場:東京・恵比寿LIQUIDROOM

=セットリスト=
SE. Zero
01. Statement of freedom
02. Swaying leaves and Scattering breath
03. A faint new world
04. Footsteps in the distance
05. Marginalized thread
06. Scene
07. Fingerprint mark
08. Left hand
09. Worn heels and the hands we hold
10. Go mad and mark
11. HIKARI
12. Dawn and gaze
13. A step in the morning glow
-en-
14.Rhythm
15.A warm room
16.Farewell to Words

Tag:

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE