1960年代のアメリカン・ポップスのリズムに微かなラテンの残り香、鳥居真道が徹底研究

鳥居真道の所有するロネッツ唯一のアルバム(再発盤)

ファンクやソウルのリズムを取り入れたビートに、等身大で耳に引っかかる歌詞を載せて歌う4人組ロックバンド、トリプルファイヤーの音楽ブレインであるギタリスト・鳥居真道による連載「モヤモヤリズム考 − パンツの中の蟻を探して」。前回のカーペンターズの楽曲考察に続き、第9回となる今回はザ・ロネッツの「Be My Baby」をベースに1960年代のアメリカン・ポップスのリズムに見られるラテンからの影響を徹底考察する。

前回、カーペンターズの名曲「Close To You」を取り上げた際にレコーディングに参加したアメリカを代表する名ドラマー、ハル・ブレインについて少し言及しました。今回取り上げる曲もハル・ブレインが叩いております。ただしハル・ブレイン特集ではありません。今回は「60年代のアメリカン・ポップスを代表する名曲に漂うラテンの残り香をリズムの側面からくんくん嗅いでみませんか!」という趣旨となっております。

ご存知ザ・ロネッツの「Be My Baby」。1963年のヒット曲です。言うまでもありませんが、この曲のプロデューサーはフィル・スペクターです。フィル・スペクターと言いますと「音の壁」いわゆる「ウォール・オブ・サウンド」と呼ばれるそのサウンド及びレコーディングやミキシングの方法について言及されることが多いと思いますが、今回はリズムの面を見ていきたいと思います。なぜか? それはこの連載が「モヤモヤリズム考」だからです。

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