SCANDALの次の戦い方―SCANDALがいたからガールズロックというシーンが出来たのは間違いないとして、バンドとしては次のステップを考えていると思うんです。次の戦い方やビジョンってどんな感じですか?HARUNA:続けられるところまでは頑張って続けようと思っていて。そのためにはもっと出来るようにならないといけないこともあるなと思っているから。どんどん努力を積み重ねていくだけだなと思ってますね。あとは、人間として、ちゃんと表現していけるかっていうことだと思います。
―結局、そこなんですよね。HARUNA:すごくシンプルなんですけど、それって。
―でも一番難しいですよね?HARUNA:難しかったんですよね。それが普通のことなんだけどやれてなかった部分だから。それに気付けて、そういう自分たちで戦っていこうっていう気持ちではいます。
―TOMOMIさんは?TOMOMI:その曲の世界観に関連してきたっていう話をさっきしたじゃないですか? だからこそ自分たちの生き方がすごく大事だなって思っていて。自分たちがバンドとしてかっこよくあるためには、個人個人がいい人間であるべきだから。なんか単純にカッコよく生きないとなって思ってますね。
―<表現>って自分が全部出ちゃいますもんね。TOMOMI:まぁ、30歳を迎えるわけだから、今後もしかしたら人生の中で大きな転機があるかもしれないし、そうなった時に初めて感じる感情もあるんだろうし、それを曲にできるような環境があればいいなと思っていて。だから1秒でも長く音楽を続けていたいなと思うし、まだまだ知らない感情があるはずだからそれを表現したいなと思う。そのためにはカッコいい人間であるべきだなってところですね。
―1回結婚して、で離婚してみるのもありですよ(笑)。TOMOMI:(笑)。
HARUNA:確かにそういのもありですね(笑)。
―MAMIさんはどうですか? これからのバンドのビジョン。MAMI:うーん……でも長く続けていくことが一番かなって思うし。
―メンバー異口同音にバンドを長く続けていきたいんですね。昔って27歳死亡説じゃないけど早く死ぬことがロッカーの在り方みたいな感じで、長く続けることは考えてなかったわけですが……。RINA:もう27超えちゃいましたからね(笑)。
MAMI:それでいうと、去年死ぬのかなって思ってたけど、生きてました(笑)。長く続けていこうとか、長く続けているうえで感じることは、本当時間って裏切らないじゃないけど、全部肯定してくれる気がしていて。10年続けてやっと自分たちのスタイルや音楽を理解してくれる人が増えたし、それはミュージシャン、アーティストの人たちもそうだし、お客さんもそうだし。うちらがデビューした時に、小学生だった子たちが、10年経ちました、20歳になりましたとか、ようやくライブに来れるようになったからライブに来ましたとか、うちらを見てバンドを組みたいと思ったからバンドを組みましたとか、そういう話を聞いていてそれが活力になったりもするし。だから長く続けるってすごいことなんだなって改めて思いますね。あとは一緒の時期にデビューした人たちがどんどん残念なことに解散していったりしていくのを見て、続けて行くことがSCANDALのというか個人的な使命でもあるなとも思うし。多分それが武器になる時が来るなとは思っています。
―“ガールズバンド”から“おばあちゃんバンド”まで続いて欲しいです。TOMOMI:ギネスが16年?
MAMI:17年。
―それ何の話ですか?TOMOMI:ガールズバンドのギネス記録です。17年間がZELDAさんです。私たちももうちょっとですね(笑)。
RINA:ギネス取りたいなぁ。
TOMOMI:それ言うの恥ずかしいからやめよう。
MAMI:でもギネスは武器になるよ(笑)。
TOMOMI:目指してるけどちょっとダサいから売りにするのはやめよう。
HARUNA:もうここまできたらねって感じだけど。
―レコード会社はCDの帯に『ギネスバンド』って書きますよ。HARUNA:それは絶対書きたくない!!
RINA:何歳なの?って思われるよね(笑)。
―逆に17年で女性バンドだとギネスになれるくらい、続けるのが大変って言うことですよね。RINAさんはどうですか?これからのバンドのビジョン。RINA:バンドとしてはいろんなことができる4人だと思うから、その時できることをどんどんブラッシュアップしていって、その時やりたいように表現したらいいなって思うんですけど、個人的なことで言えば、バンドの戦力にちゃんとなれるドラマーでいたいです(笑)。
―なんか急に謙虚なこと言ってますが……。RINA:もっとドラムも上手になりたいし、今歌詞をたくさん私が書いてるので、もっといいのを書けるようになりたいなってめっちゃ思うし。ちゃんとお客さんに楽しんでもらえるドラマーになりたいですね。
―ちなみに目指している憧れのドラマーって誰ですか?RINA:いません!!
―唯一無二の存在でありたいと?RINA:いやそういうことでもないんだけど、本当にこの人がベストだなとか、こうなりたいみたいなドラマーはいないんです。ちゃんと女の子らしくてカッコいいドラマーのお手本みたいなのってあんまり私が知らないだけかもしれないんですけど、これだな、自分の未来として目指すべき人を本当見つけられないというか、いなくて。とにかく自分でできることを増やしていくってことだけだなって感じです。
―さて、アルバムのリリースツアーが3月7日から始まりが、GW明けはワールドツアーに突入ですね。HARUNA:はい。海外公演は毎年行ってますが、ワールドツアーって言って回るのは『HELLO WORLD』ぶりなので、5年振りですね。
―海外でやるのはやはり特別な思いがありますか?それとも日本とやるのとは地続きみたいな感じなのですか?HARUNA:然と毎年行く感じになっているので、いい意味で特別な感じはしないです。ありがたいことに世界中にファンがいてくれてるから、ちゃんと望まれてるところに行きたいなっていう想いでいるので。それは国内も国外も一緒だなって感じです。
―〝音楽に国境はない〟というけど、実際に音楽やりながら国境を越えて行けるのって、ミュージシャンとしては幸せですよね。RINA:そうですね。あと、鍛えられますね。
HARUNA:めっちゃ鍛えられるし、超人間レベル上がるなって感じがします。
RINA:プレイヤーとしても。ドラムのことで言うと、海外公演には自分のセットは持っていけないので、毎回現地で手配してるんですよ。サイズとか全部指定して、パーツごとに用意してもらってるんですけど、海外だとやっぱり連絡の行き違いとかもあったりして、サイズもバラバラだし、メーカーもちょっと違うのがくるとか、全然足りないみたいなこともしょっちゅうあって。だからどんなのが来ても同じ音を出せるドラマーにならなきゃってめっちゃ思うようになりました、海外でいっぱいやるようになって。
―モニターの環境も日本ほどちゃんとしてないですよね?RINA:全然してないです。
MAMI:そもそも電圧も違うし。
―しかもスタッフ適当だったりする中でベストパフォーマンスをするにはもうバンド力しかないですよね。TOMOMI:そうなんですよ。だからバンド力上がって行くんですよ。
RINA:メンタルも強くなる(笑)。
HARUNA:結局、人間力が試されているんですよねミュージシャンって。
<INFORMATION>
『Kiss from the darkness』
SCANDAL
ビクターエンタテインメント
発売中