ブラック・サバス50周年、革命的なデビューアルバム制作秘話

2. デビューアルバム『黒い安息日』の収録曲は日中に作られたものがほとんどだった

短期間ジェスロ・タルに在籍したのち、トニー・アイオミはアースに戻り、バンドメンバーに「もっと真剣にやらなきゃダメだ」と発破をかけた。イアン・アンダーソンが日中のリハーサルを徹底しながら、鉄笛でプログレ・ブルース・バンドを率いている姿を間近で見たアイオミは、アースでも同じことをしようと提案した。彼らは午前9時からリハーサルを開始することが多かったが、アイオミは「ギーザーをその時間に起こすことが一番の苦労だったが、とにかく彼を起こして、みんなでリハーサルを行なった。そうやって必死に練習したんだ。俺たちにはやらなきゃいけないことがあると信じてね」と説明した。さらに「その頃、俺は有名バンドを辞めて元のバンドに戻ったわけだから、『やべー、奴が戻ってきちまった。気を引き締めた方がいいな』とメンバー全員が感じていたと思うよ。俺も含めてな」と続けた。



3. ギーザー・バトラーは「眠りのとばりの後に」の歌詞を、文字通り眠りのとばりの後ろで書いた

このサイケデリック風の曲にはハワード・フィリップス・ラヴクラフトの短編「Beyond the Wall of Sleep(原題)」がこだましているが、バトラーはこの曲はほぼすべてが自分の潜在意識下で生まれたものだと言う。「俺は『Beyond the Wall of Sleep』を読んでいるうちに寝落ちしてしまった。そしたら全部の歌詞とメインのリフが夢の中に現れた。目が覚めたとき、歌詞を全部メモって、リフをベースで弾いて忘れないようにしたんだ。当時は手軽な録音機器がなかったから、何でもかんでも記憶するしかなかったのさ。そうやって忘れないようにして、リハーサルでメンバーに弾いてみせたんだよ」と、バトラーが説明した。

Translated by Miki Nakayama

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