ブラック・サバス50周年、革命的なデビューアルバム制作秘話

ブラック・サバスのデビューLPが発表されたのは今から50年前だ。(Photo by Chris Walter/WireImage/Getty Images)

革命的なヘヴィメタル・アルバム『Black Sabbath』の50周年を祝って、ローリングストーン誌はバンドメンバー、コラボレーター、ミュージシャン仲間と独占インタビューを行い、この作品が生まれた背景に迫った。

50年前の今週、ブラック・サバスはセルフタイトルのデビュー・アルバム『Black Sabbath』(邦題は『黒い安息日』)で音楽の世界を一変させ、一つのジャンルを生み出した。50周年を記念して、ローリングストーン誌はこの作品が生まれた背景を紐解きたいと考えた。

そこで、このアルバム制作に携わった12人に話を聞いたのだが、その中にはブラック・サバスのギタリストであるトニー・アイオミ、ベーシストのギーザー・バトラー、ドラマーのビル・ワードが含まれ、彼ら以外の数多くのコラボレーターとミュージシャン仲間もさまざまな思い出を語ってくれた。ジューダス・プリーストのロブ・ハルフォードはまだ「アース」と名乗っていた頃の彼らを見た思い出を語り、テン・イヤーズ・アフターのレオ・ライオンズは彼らが自分たちの前座を務めたことを思い出し、ステータス・クォーのフランシス・ロッシは当時のすべてのバンドが「ヘヴィさ」を渇望していた事実を教えてくれた。また、アルバムのジャケットをデザインしたキース・マクミランと、木立に佇むミステリアスな女性ルイーザ・リヴィングストンを見つけ出し、アルバム・アートについて初めて語ってもらった。

この記事の執筆中に、半世紀前の出来事とは言え、彼らは公表されていない逸話や、実際によりも簡単に報道された情報の裏側などをいくつも話してくれた。その中の5つの事実を紹介しよう。

1. ジューダス・プリーストのロブ・ハルフォードは、彼らがバンド名を「アース」から「ブラック・サバス」に変えたときの大きな変化に気づいた

ブラック・サバスのメンバー4人が初めて一緒にプレイしたのは「ポルカ・タルク・ブルース・バンド」という6人編成のグループだった。その後、メンバー2人(スライド・ギターとサックス)をクビにし、バンド名を「アース」に変えた。ジューダス・プリーストに加入する遥か前のロブ・ハルフォードが彼らのライブを見たのがこの頃だった。

「バーミンガムのクラブかどこかでアースを見た記憶が薄っすらとある。彼らはヘヴィなブルースとジャジーなプログレという感じの音楽をやっていた」と言ってハルフォードは続けた。「視覚的な部分で覚えていることはほとんどないし、カバー曲の『魔女よ、誘惑するなかれ』のようなサバスの初期の曲をやったのを思い出すくらいだ。ただ、ライブで演奏する彼らは相変わらずフリーフォームの適当なプレイをやっていたが、何よりもヘヴィさが突出していた。そしてブラック・サバスへ変身したときの彼らは、自分たちの個性をきっちり磨き上げていたんだ。トミーのリフが強力にバンドを引っ張っていて、地元バンドや周辺のバンドとは一線を画す強烈なバンド・キャラクターも作り上げていた。オジーは見た目も声も特別だったし、ギーザーとビルのダイナミクスが他の誰にも真似できないサウンドを生み出していた」と。


Translated by Miki Nakayama

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