エアロスミスが「Love in an Elevator」などの大ブレイクの最中に発表した1989年のヒット曲は、児童虐待とその復讐について歌われている。
30年前の2月、エアロスミスの「Janie’s Got a Gun」がビルボードチャートで4位にまで上昇した――ポーラ・アブドゥルの「Opposites Attract」、セダクションの「Two to Make It Right」、そしてロッド・スチュアートの「Downtown Train」に次ぐ順位である。このバンドには珍しく暗い雰囲気のシングルで、テーマは近親相姦、児童虐待、復讐殺人である。
その前のシングル「Love in an Elevator」はスティーヴン・タイラーがエレベーター内でオーラル・セックスを受ける話だ。このことから、「Janie’s Got a Gun」でどれほど従来の路線かけ離れたことをしたかがわかるだろう。この曲はMTVで繰り返し放映されラジオではトップ40に昇った。その後の9年間、「I Don’t Want to Miss a Thing」の発表までそれ以上のヒットはみられない。
その後、エアロスミスの本格的なヒットは2001年の「Jaded」までないが、それが小さな棘となり彼らを巡業へ向かわせた。近頃バンドはドラマーのジョーイ・クレイマーのドロドロの脱退劇――アメリカの裁判所をも巻き込み、警備はリハーサルに彼を入れないようにした――の後に再び加入させた。今のところ彼らの背景にある事情はそのようなもので、バンドは9月までラスベガスとヨーロッパで公演を行なう。「Janie’s Got a Gun」を聴けるという期待はしない方がいい。理由はどうあれ、ラスベガスでの興行の中でその曲を披露したのは1度だけなのだから。