意志や心の弱さのせいではないー依存症が孤独の病気と呼ばれる理由とは?

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2019年9月に書籍『なぜアーティストは壊れやすいのか?』を出版した、音楽学校教師で産業カウンセラーの手島将彦。同書では、自身でもアーティスト活動・マネージメント経験のある手島が、ミュージシャンたちのエピソードをもとに、カウンセリングやメンタルヘルスの基本を語り、アーティストや周りのスタッフが活動しやすい環境を作るためのヒントを記している。そんな手島が、日本に限らず世界の音楽業界を中心にメンタルヘルスや世の中への捉え方を一考する連載「世界の方が狂っている 〜アーティストを通して考える社会とメンタルヘルス〜」をスタート。第11回は「依存症」をテーマに、産業カウンセラーの視点から考察する。

今までに何人ものアーティストたちが、薬物やアルコール等への依存によって命を落としてきました。また、事件として大きく報道されることも多く、その度に様々な意見が世の中には溢れます。違法な薬物の摂取や所持は犯罪ですが、同時にそこには依存症という病気の側面があります。

依存症には主にふたつあります。ひとつは「物質への依存」です。薬物やアルコールなどのように、精神に依存性のある物質の摂取を繰返しているうちに、自分でもコントロールできなくなってしまう症状です。もうひとつは、「プロセスへの依存」です。特定の行為や過程に必要以上に熱中し、のめりこんでしまう症状です。

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