意志や心の弱さのせいではないー依存症が孤独の病気と呼ばれる理由とは?

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それらをやめられない理由は「脳の問題」にあります。決して「意志が弱いから」「心が弱いから」ではありません。脳の状態が変化して、自分の意志ではやめられなくなっている「欲求をコントロールできなくなる病気」なのです。そして、依存症はどんな人でもそうなってしまう可能性があります。

プリンスは強力な鎮痛剤「フェンタニル」の過剰摂取が原因で2016年に他界しました。「パープルレイン」のツアーの頃から股関節の痛みを訴えるようになり、その痛みを抑えるために医師から処方されたのがきっかけとなったようですが、周囲の親しい人たちは、彼が音楽以外にはほとんど関心を持たず、信仰心が厚いことも知られていて、薬物どころか飲酒の習慣さえないクリーンな生活を送っていたと証言しています。このように、依存症は人を選ばないということです。



また、厚生労働省のホームページの依存症対策に関するページには、依存症は「孤独の病気」とも言われると書いてあります。様々な環境に馴染めない孤独感や、常にプレッシャーを感じている状況などによる焦りや不安から依存症に至るのです。イーグルスのジョー・ウォルシュは、生まれながら「注意力散漫、強迫神経症、若干のアスペルガー的症状」を抱えていて、その特性故に「俺は怯えていた。本気で怯えていた。だって、自分が馬鹿に思えたし、孤独だったし、誰も理解してくれなかったのだから」と語っています。そうした孤独や孤立という背景を抱えたままミュージシャンとしての活動を始めた彼は、アルコールや薬物の依存症となっていきます。

精神科医の松本俊彦氏は「この病気をこじらせるのは孤独、あるいは排除や差別なんです。だから、ぜひ受け入れてほしいと思います。それから、30年前の啓発標語に、『人間やめますか? 覚醒剤やめますか?』というのがありましたが、あれはウソです。人間は薬を使っていても使っていなくても人間だし、単に覚醒剤をやめることが必要だというだけですよ」と語っています。

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