―お兄さんにもインタビューしたのですが、そこであなたのソロ活動について「ヤツの頭に少しでも脳みそがあれば(オアシスの曲を)たくさんやるはずさ。だってヤツの曲は本当にひどいものだから。俺たちの一人は相変わらず90年代に囚われていて、イワシ漁でノルウェーに行く漁師のような格好をしている」と言っていました。リアム:うん、そうか。あのヘナチョコ野郎がしているジョージ・ブッシュみたいな格好よりも、漁師スタイルを選ぶよ、俺は。本当のことを教えてやるよ。あのクソ親父は正気じゃない……アイツが何を言っているのか、理解に苦しむぜ。
―彼の新作は聴きましたか?リアム:ああ、聴いた。残念なことに、聴いちまった。
―感想は?リアム:よくわからない。まあ、冗談はさておき、今のヤツには良い曲を作れないと思う。あんな曲をアコースティック・ギターで弾いたら、みんなに笑われるぜ。とにかくアホみたいな音楽だよ。ヤツは自分をデヴィッド・ボウイだと考えているようだが、ボウイじゃない。あれは俺が聴きたい音楽じゃないし、俺は90年代に囚われたままで満足さ。
2005年8月21日、Vフェスティバルで演奏するリアム・ギャラガーとノエル・ギャラガー。(Photo by James Mccauley/Shutterstock)―ドキュメンタリーではバンドを解散せしめた数々のケンカも描かれています。もちろん、ケンカだけではなかったと思いますが、もう一度殴り合いのケンカをすれば兄弟が元通りになるんじゃないかとも思いますが。リアム:いや、そんなにいろんなことはなかったよ、実際には。何も起きていなかった。俺たちは普通だったよ。些細ないざこざは常にあったけど、俺が思うに二人ともやめたかったのさ。「なあ、何ならソロでもやればいいだろう」と言って、明らかに仕掛けてきたヤツがいて、そいつは「やめた」と言って去った。でもそいつこそが未練たらたらなんだよ。ヤツはバンドを辞めて、新たなポール・マッカートニーになって、スタジアムを満杯にすると思ったはずだ。それが裏目に出ちまったな。
ヤツがソロレコードを作りたいとしても、俺はヤツの父親じゃないし、母親でもないし、俺を犠牲にしてバンドを解散する必要はないだろう? 「もううんざりだ。俺はやめる」と言って背を向ければいいだけだ。俺がケンカ早いと知っていて、何度も騒ぎを起こす必要なんてない。バンドを離れて自分でやりたいことがあるなら、離れてやればいい。それをする代わりに、俺が我慢ならない怪物みたいなイメージをでっち上げて何になるってんだ。な? わかるだろ? 俺はかなり冷静だぜ。
―あの頃にオアシスを見ていないファンのためにも、一度だけでもツアーを実現できませんか?リアム:ああ、でも、どうなるかは神のみぞ知るだな。吉と出るか、凶と出るか。どっちにも転ぶ可能性がある。金のためでも、一回きりのツアーでも、元に戻るとしたら……もう一度仲間にならないとだめだな。な? わかるだろ? もう一度仲間になれたとしたら、かなり画期的だ。でも仲間になることなしに再結成したら、時間の無駄でしかない。「ロックンロール・スター」の最初のサビまで持たないと思うよ。ヤツに中指立てておしまいだね。
―自分の新作について言い残したことはありますか?リアム:ないよ。聞いたままだから。気に入ったら買ってくれ。気に入らなかったら、他のレコードを買えばいい。がん治療じゃないんだぜ。音楽なんだから。みんなの喉元に押し付けるナイフのように自分の音楽を推すつもりはない。だって聞いたままから。