映画史を変えた『パラサイト』、ポン・ジュノ監督とソン・ガンホが凱旋来日

アカデミー賞で偉業を達成したポン・ジュノ監督(Photo by Kevin Winter / Getty Images)

第72回カンヌ国際映画祭でパルムドール受賞、全世界で大ヒット中のポン・ジュノ監督『パラサイト 半地下の家族』が、第92回アカデミー賞で作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の4部門を受賞。外国語映画が作品賞を受賞するのは、アカデミー賞始まって以来という、歴史的快挙を果たした。この快挙と日本での大ヒットを受け、ポン・ジュノ監督と主演のソン・ガンホが2月下旬に凱旋来日することが急遽決定した。

全員失業中の貧しい一家とIT企業を経営する裕福な社長一家という相反する2つの家族の出会いから想像を遥かに超える展開へと加速していく物語は、既に韓国動員1000万人突破、フランス動員170万人突破、全米でも3館からはじまった上映が1000館を超え、外国語映画としては『アメリ』が記録した3300万ドルを抜き去り、現在歴代第6位と各国で動員記録を塗り替える爆発的な盛り上がりを見せている。日本でも公開5週目に入ってもなお全国的に満席が続出。動員100万人を超え、興行収入15億円を突破。もはや「パラサイト旋風」として、社会現象ともいえる様相を呈している。



今回、外国語映画として初めてアカデミー賞作品賞を受賞するという偉業を成し遂げた『パラサイト 半地下の家族』。受賞の瞬間は、ハリウッドを代表する監督や俳優たちもスタンディングオーベーションで祝福した。それだけでなく、アカデミー賞作品賞とカンヌ国際映画祭最高賞パルムドール受賞という映画界の頂点W受賞を果たしたのも64年ぶりという、歴史を動かす快挙となった。さらに、アカデミー賞監督賞受賞は、これまでアジア人監督としてはアン・リー(『ブロークバック・マウンテン』、『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』)ただ一人であったが、それに続いて史上2人目の快挙となった。

さらに、『1917 命をかけた伝令』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』『マリッジ・ストーリー』など、話題作を抑えアジア映画として初めて脚本賞にも輝いた。それだけでなく、本年度より「外国語映画賞」から「国際長編映画賞」へと部門名称が変わった同賞に、韓国映画として初めてのオスカーをもたらした。

今回、アカデミー賞作品賞に輝いたことについてポン・ジュノ監督は、「最高です。信じられません。(このような賞を受賞できて)非常に光栄です。朝、目を覚ましたら全部夢だったんじゃないかって思えるぐらい現実味がないです。本当にすばらしいです。すでに人々は字幕という障壁を超えてきている。今後は、外国語映画が作品賞を受賞することが大したことじゃないようになったらいいと思う。ありがとうございます」と感謝の意を述べた。

作品賞受賞時には、本作のプロデューサーのクァク・シネ氏、エグゼクティブ・プロデューサーのミッキー・リー氏が感謝のスピーチを述べた。

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