ハリウッドザコシショウ、「地獄」のものまね100連発ライブ敢行

ザコシと言えば”珍棒”も欠かせない。アキラ100%やとにかく明るい安村とほぼ全裸の芸人のものまねでは、誇張しすぎた結果、会場中が大爆笑で最高潮に盛り上がる鉄板ネタと化した。鬼に金棒、ザコシに珍棒とはこの事だろうかと感じた(なお、珍棒が何か分からない方はぜひDVDをご覧になってほしい)。特に本人が「(このネタは)やっておかんといけんですわ」と語る「誇張しすぎたひょっこりはん」で、会場の盛り上がりはMAXに。前半と中盤の合間に行われた錦鯉とキャプテン渡辺のトークでは、テレビで珍棒ネタを披露する際にモザイクを掛けるか協議されたが、モザイクを掛けると実物なのではないかと審議された裏話も披露され、より観衆の笑いを誘ったとともに深く考えさせられる一面もあった。


Photo by 大橋祐希

また、もう一つハリウッドザコシショウのネタの特徴といえば、ファミコンやWWEのプロレスなどそのマニアックさでもある。ファミコンものまねは、「ファミコンソフト『アイスクライマー』のGAME OVERの時の音」や「セガサターンソフト『バーチャファイター2』のアキラ」など80~90年代のソフトがメイン。恐らくハリウッドザコシショウがのめり込んだ、青春時代のネタであろう。ザコシと同年代の人間でなくても、どこか想像できてつい笑ってしまう。プロレス系のネタでは「WWEポール・ヘイメンの言い方」では少し会場の反応が悪いと「あぁ!? 何回でもやったるわ!」と観客に怒鳴り散らかしてネタを繰り返す場面も。「シショウ(ザコシ)は自分が好きなネタは何回でも連続でやる」と後輩芸人は語っていたが、ものまね開始前の小ネタや、ネタ中の派生形など含めたら、ものまね130連発ほどあったのではないだろうか。これまで言及したようなネタを撃ち続けること3時間弱、「100連発いったぞー!!」と遂にこのフルマラソンを完走。会場からは大きな拍手が贈られた。

ハリウッドザコシショウのものまねネタは、エネルギーの消費がものすごく多い。ものまねはかなりセンシティブな題材が多く、変顔と大声でわめき散らかすし、下ネタも多い。と、思えばファミコンやプロレスラーというコアなものまねも多い。そんな振り幅の大きなネタを、ザコシは全力で、好きでやっている。ネタ中には遠巻きからでも顔が赤くなり、身体に汗が滲んでいるのが見える。それでも自分を追い詰めるようにネタを重ねていく姿には、彼が愛するプロレスの精神も垣間見えた。観ている方もそれを受け止めるわけであるから、同じくらいのエネルギーを求められるわけである。ザコシ本人はネタが始まる前にこれを”地獄”と称したが、まさに耐久合戦。それを3時間弱見続けて笑い続けた後には、マラソンの後のような疲労感と爽快感、そして楽しかったという気持ちが残る。まさに”わめきのプロ”の芸を見せつけられた、そう思える公演だった。



<公演情報>

ハリウッドザコシショウ
「ハリウッドザコシショウのものまね100連発ライブ!SEASON3収録ライブ」

2020年1月23日(木)東京・新宿シアターモリエール
時間:開場 18:30/開演 19:00

ハリウッドザコシショウTwitter:https://twitter.com/zakoshisyoh
ブログ『ハリウッドザコシショウの「南海ホークスは今!?」』:https://ameblo.jp/hollywood-zakoshisyoh/

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