スーパーボウル・ハーフタイムショー、歴代出演者31組の格付けチェック

24位〜21位

24位:ブルース・ブラザーズ(1997年)




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ちなみにこのとき、ジョン・ベルーシはすでに他界していた。だが、スーパーボウルがブルース・ブラザーズを復活させた。恐らく、1985年のシカゴ・ベアーズのメンバーを再結集して「Super Bowl Shuffle」を再演することができなかったのだろう。ダン・エイクロイド、ジョン・グッドマン、ジム・ベルーシが、厚かましくもソロモン・バークやジェームス・ブラウンのソウルの名曲にチャレンジした。ソウルの神様本人も登場したが、ジム・ベルーシよりもう少し長く映してもよかったのでは? 「Tush」でZZ Topが救済に駆け付けたものの、時すでに遅し。手の施しようもなかった。


23位:マルーン5(2019年)




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2019年、コリン・キャパニックのNFL追放を巡る騒動の真っ只中で、スーパーボウルに関わりたいという人間は誰もいなかった。カーディ・Bとリアーナはきっぱり出演拒否。NFLがなんとか引っ張り出すことができたのがアダム・レヴィーンだった。「みんなのためにギターを弾いてもいいかい?」と叫んだ時の彼ほど、ロックスターらしからぬ姿はないだろう。トラヴィス・スコットとビッグ・ボーイ、スポンジボブの友情出演にも関わらず、結果は散々。「Moves Like Jagger」でレヴィーンがタンクトップを脱ぎ捨て乳首を見せたときは、会場は残念な独身女性のパーティと化した。


22位:ザ・フー(2010年)




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ピート・タウンゼントとロジャー・ダルトリーのいずれも、アメフトの試合を一度も見たことがなかった(NFLが参考として送ったハーフタイムショーのDVDも)。ザ・フーがこのショーの注目度や重要性を理解していなかったのも、それで説明がつくだろう。ところがどっこい、彼らは明らかに準備不足で舞台に上がり、たどたどしく名曲メドレーを披露した――あんな残念な状態で、生まれて初めて「Won’t Get Fooled Again」や「Baba O’ Riley」聴いた子供たちのことを思うと可哀そうでならない。ダルトリーは、歌詞の通りソーホーの建物の出入り口で目覚めたばかりのような声で、やっとの思いでフーフー言いながら「Who Are You」を台無しにした。「シンガロング」の嘘くさい歓声も、まるで『となりのサインフェルド』の録音笑いのようだ。悲しいが、これが真実。そう簡単に自由にはなれないのだ。


21:タニヤ・タッカー、クリント・ブラック、トラヴィス・トリット、ザ・ジャッズ(1994年)




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みんな何を期待していたのか――ニルヴァーナが『アンプラグド』のステージを再現するとでも? この年はアメリカンカントリーが大集結し、当時の輝かしきナッシュビルのスターたちの手を借りて、大仕事をやり遂げた。絶頂期を迎えようとしていたメンツが勢揃いしていた中、ザ・ジャッズだけは解散ツアーの6年目か7年目に差しかかっていた(可哀そうなワイノナ、母親が乱入するまでは素晴らしいソロを披露していたのに)。スリルこそなかったものの、この手のライブは無難にいくのが賢い選択だ。

Translated by Akiko Kato

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