セックスワーカーはAirbnbを使えないのか?

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Airbnbの声明

Airbnbはローリングストーン誌に宛てた声明の中で、イブニングスタンダード紙の記事で「取り上げられている特許内容の手法の使用」を否定した。「他の企業同様、弊社も検索結果のリスト表示や予約状況の自動表示など数々の特許を登録していますが、だからと言って必ずしも、それらのすべて、あるいは一部を実行しているわけではありません」と、広報担当者は言っている。だが、Airbnbが特許内容の手法、あるいはそれに似た手法を利用していない、とは言ったわけではない。フラワー氏のアクセスが禁止された理由に限定して尋ねたところ、フラワー氏の「アカウントが削除されたのは、AirbnbがTrooly、ひいては特許を取得する1年以上も前だった」とAirbnb広報担当者は答えた。もっとも、吸収を報じたSkiftの記事によると、Troolyは「2015年以降、Airbnbのユーザーの身元認証をサポート」していた。

同社が行なっているふるい分け手法に限っていえば、広報担当者いわく、Airbnbは「法規制やテロリスト、制裁リストと照らし合わせて、世界中の全てのホストとゲストをチェック」しており、「ある一定の重犯罪、性犯罪、あるいは重度の軽犯罪がないか経歴チェック」を行なっている、という。こうした徹底的な選別プロセスは、Airbnbが性的暴行の苦情をスルーした過去や、パーティハウスで銃撃が起きて人が死んだ最近の事件を考えれば、当然あってしかるべきだ。だが彼らはフラワー氏のような女性が、単純に職業だけで利用を禁じられた理由については説明していない。将来的にアルゴリズムが、ソーシャルメディアのプロフィールといった外部情報をもとにユーザーの信頼性を判断する可能性についても触れていない。

セックスワーカーに特化したAirbnbの具体的な方針について尋ねたところ、広報担当者はこう答えた。「我々はAirbnbで扱う物件に関して一切売春は認めていませんし、このルールを実行するためのポリシーも設定しています」。さらに、それらポリシーは特許取得前に設定されたとも語った。だがポリシーの具体的な内容や、セックスワーカーの利用を判断する仕組みについては言及を拒んだ。だが2018年、Airbnbの信用リスク管理部門グローバル担当者のニック・シャピロ氏がMediumにあげた投稿に、いくらかヒントが見つかりそうだ。投稿の中でシャピロ氏は、Airbnbが反人身売買組織ポラリス社と協力し、Airbnbユーザーの「固有のデジタルフットプリント」をPolaris社のバックエンドデータと分析結果に紐づけ、「人身売買の兆候をリアルタイムで取り出す」予定だと発表した。だが、人身売買と同意の上の売春は別物だし、セックスワーカーであるからといってAirbnbを売春に利用しているわけではない。Airbnbが行っているスクリーニングが何であれ、両者をきちんと区別できるほど洗練されてはいないようだ。

アクセス禁止の理由について、フラワー氏のもとにAirbnbからの返答はない。閉め出されてから4年、もはや彼女も返事がくるとは思っていない。だが彼女にとってショックだったのは、理由もなくアクセスを禁じられたことではなく、その数カ月後にAirbnbからメールが届き、ユーザーに「偏見と闘う」旨の利用誓約書にサインするよう求められたことだ。

「彼らは私のサポートメールには返事をよこさなかったのに」と彼女は言う。「私にはスパムメールを送り付けて、自分たちは差別反対です、なんて言うんですよ」

Translated by Akiko Kato

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