BABYMETAL、光と闇を体現した幕張ライブ完全レポ

「DARK SIDE」を軸にした26日公演

26日公演は初日公演から一転、“DARK SIDE”を軸にしたセットリストで進行。BABYMETALは過去にも“DARK SIDE”と銘打ったライブを2018年に展開したが、今回は“LIGHT SIDE”と対であることが大前提であり、数ある表現のひとつとして受け取ることで、以前とは違った解釈ができたはずだ。

アルバム後半(日本盤Disc-2)の幕開けを飾るトライバルなインスト「IN THE NAME OF」でフロアの熱量を高めていくと、ステージにはシンボルマークを象った杖を手にしたBABYMETALとアベンジャーズ3人が登場し、中央に集まっていく。まるでこれから、邪悪な黒ミサが始まるのではないか……そう思わずにはいられないほど、前日とのギャップに驚かされる。そこからまばゆい照明の中、印象的なコーラスのリフレインが響き始め、ステージにはSU-METAL、MOAMETAL、アベンジャーズのシルエットが浮かび上がる。この流れで勢いよく「Distortion (feat. Alissa White-Gluz)」へとなだれ込むと、会場は早くもクライマックスと呼ぶにふさわしい盛り上がりを見せた。


Photo by Takimoto “JON” Yukihide

「PA PA YA!! (feat. F.HERO)」ではフィーチャリングアーティストF.HEROも映像で客演。サビではお祭り騒ぎとばかりに、オーディエンスが手持ちのタオルをプロペラのように頭上で回し続ける。そして、新作からの楽曲が3曲続いたあとに人気曲「KARATE」が繰り出されると、フロアの熱気はさらにヒートアップ。初日の多幸感溢れる空気感とは異なり、2日目はシリアスさを軸にしつつも緩急に富んだ、今のBABYMETALだからこそ表現できる世界観が展開されていった。特に、この日はSU-METALやMOAMETALの目元のみを映す撮り下ろし映像が曲間に挟まれ、それらが程よいスパイスの役割を果たしていたのも印象的だ。


Photo by Takimoto “JON” Yukihide

年齢的にも成長した今のBABYMETALだからこその1曲「Kagerou」では、MOAMETALによる妖艶なダンスも見どころのひとつ。続く「BxMxC」ではヒップホップやトラップにメタルをミックスさせたモダンなトラックと、挑発的なリリック&ヴォーカルにメタルの新たな可能性を感じずにはいられなかった。このように、1曲1曲で異なるチャレンジに挑んだ新作『METAL GALAXY』は、本当に“メタルの銀河の旅”を具現化した作品なのだと気づかされる。


Photo by Taku Fujii


Photo by Taku Fujii


Photo by Takimoto “JON” Yukihide


Photo by Takimoto “JON” Yukihide

メタルコアとV-ROCKの融合といえる「シンコペーション」を経て、次に披露されたのが久しぶりの「ヘドバンギャー!!」。イントロの時点で悲鳴のような歓声が鳴り響き、特製のマイクスタンドを手にしたSU-METALが原曲以上に力強く、そしてディープさが増したボーカルで観客を魅了し続ける。曲後半のカオティックな展開ではフロアが阿鼻叫喚の盛り上がりを見せ、改めてこの曲がずっと待ち続けられていたことを証明する結果となった。

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE