実録犯罪専門のポッドキャスト、40年以上逃亡していたレイプ殺人犯を逮捕に導く

およそ40年前、大学時代にデンバーのラジオ局でインターンとして働いていたヘレン・プルジンスキさんの殺害容疑で逮捕されたジェームズ・カーティス・クラントン容疑者。(Photo by Uncredited/AP/Shutterstock)

元刑事のポール・ホールズ氏と調査報道ジャーナリストのビリー・ジェンセン氏が手を組んで、2019年春にスタートしたポッドキャスト『The Murder Squad』。リスナーに捜査協力を呼びかけ、未解決事件の解決に一肌脱ごうという試みだ。1月13日の発表によると、ポッドキャストは初めて手柄を挙げたようだ。

リスナーの協力で、ポッドキャストは事件をジェームズ・カーティス・クラントン容疑者の逮捕へ導いた。元コロラド州住民のクラントン容疑者は、1980年に21歳のヘレン・プルジンスキさんを殺害した容疑がかけられている。

ポッドキャストの最新エピソードで、ホールズ氏とジェンセン氏は“ジェシー”とインタビューした。長年実録犯罪のファンだったジェシーは2019年4月、2人の呼びかけに応じてGEDmatchデータベースに自分のDNAを登録した。GEDmatchとはあらゆる機関のDNA結果をまとめたDNAデータベースで、警察当局も利用している。これを使えば、ユーザーの家系をより正確にたどることができる。

GEDmatchが世間の関心を集めるようになったのは2018年4月。1974年から1986年にかけて、カリフォルニアで少なくとも12件の殺人と50件の強姦、100件の強盗を働いたとみられる連続殺人鬼“ゴールデンステートキラー”の逮捕に使われたのがきっかけだった。74歳の元警察官ジョセフ・ディアンジェロ容疑者が逮捕され、70年代から80年代にカリフォルニア州6つの郡で行われた殺人13件とレイプ絡みの事件13件で現在裁判を控えている。罪状認否はまだ行われていない。

ホールズ氏はこの事件を90年代から追い続けていた。一方ジェンソン氏も、故ミシェル・マクナマラ氏とともに2018年の著書『I’ll Be Gone in the Dark』に携わっていた。2人は市民探偵を募って未解決事件を解明できないかと、2019年にポッドキャストを立ち上げた。彼らにとって、今回の逮捕劇が初手柄となる。

「誰もがもう一歩前に踏み出して、何かいいことをしたいと思っているんです」と、ジェンセン氏はローリングストーン誌に語った。「こういう実録犯罪ブームが起きると、自分も加わりたい、なにか人助けしたいという人が出てきます。人助けという点では、これが一番いいやり方だと思いますよ」

Translated by Akiko Kato

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