MeToo運動が浮き彫りにした「有害な男らしさ」とは?

2010年代を代表するMeToo運動(Photos in Illustration by Yonhap/EPA-EFE/Shutterstock, Mark Ralston/AFP via Getty Images, Erik McGregor/Pacific Press/LightRocket via Getty Images, Laurent Chamussy/Sipa/Shutterstock, Alex Wong/Getty Images, Gabriel Olsen/WireImage/Gett



なぜ男性の性的欲求が優先されるのか?

さらに言えば、babe.netの事件以降悪党にまつわる会話のトーンも、怒りや断固とした態度から、穏健で懐柔的に変わったように思われる。「(男性らしさから逸れることを)困難に感じる人もいます。勃起しているときは、集中して人の意見に耳を傾けるのが難しいものです(と、聞いています)」。スティラー氏はアンサリとbabe.netの事件についての章でこう書いている。こうした発言は、(おそらく男性の)読者に対するスティラー氏の見上げた明白な同情を表したものだが、だが同時に、現実を考慮していないようにも見受けられる。そもそも男性が勃起を抑制できないことに同情しすぎることが、(ワイス氏の「空気が読めない」発言のような性的加害者のあきれた言い訳も含め)男性の性的欲求を優先する文化につながるのだ。

babe.net事件と同じく欠点はあるものの、それでもやはりMeToo運動の初期には、男性に無理やり自らの非行と向き合わせ、男性を除外する危険を冒してでも、活動する意義があるという暗黙の了解があった。最近では、我々の関心は男性の感情をなだめることに向いているようだ。だが実際は、有害な男性らしさを正す道は一筋縄ではいかない。文化として破綻しているとようやく認められるようになったものを、これからどう正していくべきか? その答えを出すのは難しい。悪党にどう対処するべきかという問題が全国規模で取り沙汰されるようになったのはごく最近かもしれないが、この先10年、その先もずっと議論は続いていくだろう。『For the Love of Men』と『Modern Manhood』は寛大にも、悪党であることと破綻していることは最終的に同じではない、という見方を示している。



Translated by Akiko Kato

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