エアロスミスのドラマー、復帰オーディション落ちバンドを提訴「屈辱であり、不愉快」

今年1月のはじめにクレイマーはようやく妥協し、クリックトラックのオーディションを受けた。ほかのメンバーはクレイマーの演奏を聴いて「最高だった」と評価していたようだが、クレイマーの主張によると、1月15日にエアロスミスはクレイマーの今後について前代未聞の投票を行い、バンド復帰を却下するという最終決定を下した。

クレイマーの復帰を却下するという判断は「バンドにふさわしいレベルで演奏できる」、「演奏とドラム技術」、「技術面での正確さ」といったでっち上げの基準ではなく、より不合理で恣意的で気まぐれな新基準によるものである、というのが訴訟内容の主張だ。要するに、録音されたミスタ・クレイマーの演奏は「エネルギー」不足だった、というのだ。

「自分の仕事をするのにオーディションを受けさせられ、『バンドにふさわしいレベルで演奏できる』ことを証明して臨時ドラマーよりも上手く演奏し、変わり続けるでっち上げの基準に左右されなければならないことは屈辱であり、不愉快です」とクレイマーは声明で語った。「ほかのメンバーと彼らの弁護士たちはきっと私を糾弾し、いまはドラムを演奏できる状態ではないと主張するでしょう。これほど真実とかけ離れたことはありません。私は彼らに要求された通りのことを全部しました。指示通り、最近のライブ演奏に合わせてひとりでドラムを叩いて録音しました。聴いたことのない新曲でしたが。それに、そのプロセスまで録画されました。でも、私はやり遂げました。上手くやってのけましたよ。エアロスミスの50年の歴史においてメンバーがここまで粗探しをされ、自分の仕事をするのにオーディションまで強要されたことはありません!」

「ジョーイは、最後の最後で我々の提案に同意しました。しかし残念ながら、その時点ではグラミー・ウィークに向けてリハーサルするには手遅れでした」エアロスミスの声明はさらに続く。「十分なリハーサル時間と準備期間もなく演奏させることはジョーイ、我々、ファンたちにとってひどい仕打ちです。それなのに、ジョーイはグラミー賞授賞式に先立つ3連休前の金曜の夜に提訴という道を選びました。グラミー賞のような重要なイベントで演奏するための準備にどれだけ制約があるかをまったくわかろうともせずに。こうしたジョーイの判断を受け、残念ながらジョーイに演奏させることはできませんが、当然ながら、グラミー賞とミュージケアーズの授賞式に参加するよう声をかけています。我々は、ステージの上で過ごす時間以上にもっと強い絆で結ばれているのですから」

ミュージケアーズ・パーソン・オブ・ザ・イヤー・アワードでのトリビュート・ライブと第62回グラミー賞授賞式でのパフォーマンスに加え、エアロスミスは今月末にはラスベガスのレジデンシー公演を再開し、5月と6月には追加公演が予定されている。さらに今年の夏には、バンド結成50周年を祝うアニバーサリー・ツアーを行うもようだ。

Translated by Shoko Natori

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