indigo la End、初の中国公演で学んだ「海外に出ていく意味」

indigo la End、上海街中にて(Photo by Kazushi Toyota)



TikTokの効果もあって広まった「夏夜のマジック」の盛り上がり

川谷:ライブがどんな空気になるかわからなかったから、セットリストはツアーの延長線な感じでやってみたんですけど、昔の曲でも盛り上がってくれて嬉しかったですね。「名もなきハッピーエンド」をやったときに、あの曲が入ってる『あの街レコード』のCDを掲げてる男の子がいて、あれには感動しました。

「夏夜のマジック」のイントロでは、オーディエンスからさらに大きな歓声が。TikTokの効果もあって、若年層を起点にジワジワと広まり、YouTubeでの再生回数が1000万回を突破するなど、インディゴのニュースタンダードとなった楽曲だけに、その浸透度は中国でも抜群だ。日本ではお馴染みとなっている、サビで川谷が手を上げるパフォーマンスこそなかったものの、曲終わりには川谷がこの日初めて「ありがとうございます」と日本語で挨拶をし、大きな拍手で包まれた瞬間は非常に感動的だった。



「ラストソング」と伝え、「結び様」が始まると、最前列のファンがメンバーの似顔絵が描かれた大きな旗を広げ、サーフさせることで感謝を伝える微笑ましい一幕も。また、演奏を終え、川谷が「Can I take a picture?」と尋ねると、「モチロン!」と日本語で返事が返ってきて、「日本語わかる?」と聞き返すと、「イェー!」と返ってくるというやりとりにも、自然と笑みがこぼれる。栄太郎が「サイツェン」と告げてステージを去るも、アンコールを求める声が止まず、やる予定ではなかった「さよならベル」を急遽演奏と、最後まで大盛り上がりの初日となった。


Photo by Kazushi Toyota

終演後のメンバーに話を聞くと、栄太郎は「めっちゃ楽しかった。ハマる気持ちがわかった」と上気した顔で話し、後鳥は「イヤモニを変えたら、すごくやりやすかった」と好調の理由を教えてくれて、長田は「ステージがあと50センチ低くていい。ちょっと怖かった」と笑っていたが、それぞれがライブを楽しんだことが伝わってくる。一休みした後、現地のプロモーターによる取材もあったが、「川谷さんは複数のバンドを掛け持ちしていて、どうやって時間を作ってるんですか?」や「天才と呼ばれることをどう思いますか?」と、中国でも日本同様に川谷に対する認知が伝わっていることを改めて感じさせた。

取材後、川谷に「夏夜のマジック」のサビで手を上げなかった理由を聞いてみると、「中国のライブは公安の取り締まりが厳しいから、オーディエンスを煽るようなパフォーマンスをしてはいけないと言われて、躊躇した」と言い、本当はセットリスト以外の曲を演奏するのもダメだったけど、「あんなにアンコールをしてもらったら、期待に応えたいと思った」と話してくれた。時刻はすでに23時過ぎ。明日の早朝には上海に向けて出発しなければいけないこともあって、メンバーはホテルに帰って吉野家の牛丼を食べることにしたそう。川谷は「俺こっち来てから中華料理全然食べてないんだけど」とぼやきながらも、その顔には充実の色が浮かんでいた。

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