伊藤万理華の初期衝動、「まりっか」から裸の自分へ

ファッションとダンスを融合した理由

―今回の個展では「ファッション×ダンス」を掛け合わせた映像・衣装が展示されますが、ファッションとダンスを融合させようと思った理由は?

ファッションも好きだし、映像も好きだし、踊ることも好きだし……っていう。アイドルを卒業したからといって踊りから離れる必要もないし、今回制作してくれた振付師の菅尾なぎさんさんには、まりっかの映像作品の振り付けを全部やってもらってたんですよ。その時は歌に沿った振りだったんですけど、菅尾さんが私単体で何かやるとしたらどうなるんだろうっていうのはずっと気になってて。そしたらやっぱり今までにない、まりっかのときとは違う見たことないものにはなりました。

―さっき言ってた「お母さんと一緒に作ったドレス」もここに登場するんですよね。

乃木坂46にいた頃、デザイナーの親がいる環境で育って……というイメージが私には常にあって、そのことがきっかけでお仕事の幅が広がったりしたんですけど、仕事絡みで自分から親に頼ることはなかったんです。今回の個展で、「人とコミュニケーションを取る=親とコミュニケーションを取る」ってなったときに、最初に浮かんだ方法が一緒にドレスを作ることだったという。初めて自分からお願いしました。

―お母さん以外だと、BODYSONG.Tanaka DaisukePERMINUTEと3つのファッションブランドとコラボしてます。

BODYSONG.さんは菅尾さんと一緒で、乃木坂46時代に私の衣装を作っていただいてたんですけど、私単体で一着作ってもらったらどうなるんだろう?という興味がずっとあったので、今回このタイミングでお話しさせていただきました。あとPERMINUTEさん、Tanaka Daisukeさんは私が前から気になっていたブランドで。私が思ってることは同じように伝えたんですけど、やっぱり返ってくるものは違うなと思って。それぞれのこだわりがあって面白いなと思いました。


Photo by Shun Komiyama

―伊藤さんの伝えたいことが、写真、漫画、映像、ファッション、ダンスで表現されているのが今回の個展。カルチャーに対して感度が高く、クリエイター気質が強い伊藤さんだからできることですし、それと同時に乃木坂46という看板を背負ってきた伊藤さんだからこそ、社会的にも意味のあることだと僕は思うんです。

そうですね。それは本当に……めっちゃ感じますね。今の自分にできること、伝えられることっていうのが、こういう方法でできるのは今までの活動があったからです。作品はそれぞれ受け取り方が違いますし、こういう表現方法が正解かどうかはわからないけど、私はこういう形で前に進んだんだよ、乗り越えてきたんだよっていうことに、同世代の方はもちろん、たくさんの人たちが何か思ってくれるんじゃないかなと思っていて。

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