甘えでもわがままでも育て方のせいでもない 自閉スペクトラム症を理解する

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ツアーに帯同していた、THE CURE、SISTERS OF MERCY、BLACK SABATHなども担当したことのあるベテランのギター・テックは、そんな一連のクレイグの様子を見て、クレイグ・ニコルズは「アスペルガー症候群(現在では自閉スペクトラム症)」なのではないかと推測します。そして、専門家を呼び診断してもらうと、やはりそうだったのです。

クレイグ・ニコルズは「臨機応変な対人関係が苦手」「双方向の会話が不得手」というアスペルガー症候群の人の持つ先天的な特性のため、毎回違うインタビュアーによる取材や、毎回新しい土地で新しい人たちと関わらざるを得ない「ツアー」が重大なストレスになっていて、それらが蓄積して「暴発」し、さまざまなトラブルを引き起こしていたのです。

もうひとり、事例を紹介します。1979年発表のシングル『Cars』が全英1位、全米3位の大ヒットを記録し、一躍時代を象徴するアーティストの一人となったゲイリー・ニューマンは『Mojo』誌のインタビューで、自身がアスペルガー症候群であることを明かし、「1対1のインタビュー状況では、コントロールされた質問および回答のセッションだからうまくいくけれど、見知らぬ者との社会的な関わりでは非常に不機嫌になってしまう。世間話は苦手だ。もし私たちがバーで、またはショーの後に会ったならば、私がよそよそしいか、冷淡か、みじめか、または無器用であることを知る良い機会になるだろう。何故なら、私はどう喋っていいか分からないからだ」と話しています。


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