痴漢行為でケヴィン・スペイシーを訴えていた元ノルウェー王族の作家アリ・ベーン氏が昨年12月25日に自殺し、47歳の生涯を閉じた。
同氏は2017年、2007年のノーベル平和賞授賞式コンサートの最中に、渦中の俳優から痴漢行為を受けたと発言。この3カ月でスペイシーを告発していた人物が死亡するのは、彼で2人目となる。
「アリ・ベーン氏と一番親しくしていた者として、このようなご報告をしなくてはならないのは本当に胸が痛みます。彼は今日、自ら命を絶ちました。今後しばらくはプライバシーを尊重くださいますようお願い申し上げます」と、ベーン氏のマネージャーはノルウェーの新聞VG紙に語った(ハリウッド・リポーター誌の報道より)。
ベーン氏は2002年から2016年まで、ノルウェーのマッタ・ルイーセ王女と結婚していた。近年はアルコール中毒の治療を受けていることを公にしていた。
スペイシーがノーベル平和賞授賞式のコンサートで共同司会を務めていたときに、問題の事件は起きた。「彼は私の隣に座っていて、楽しく会話をしていました」と2017年、ベーン氏はノルウェーのラジオ局に語った。「5分ほど経ったところで彼は言いました。『ちょっと外で一服しませんか?』。すると彼はテーブルの下で、僕の股の間を触ってきたんです。予想外の出来事でした」
昨年9月には、スペイシーの被害者とされる別の人物が死亡した。ベテランのマッサージ師(匿名)は、施術中にスペイシーから性的暴行を受けたとして2018年9月に裁判を起こしていた。マッサージ師の死後、訴訟は審理停止とされた。
ベーン氏の訃報の前に、スペイシーはクリスマスイブに、『ハウス・オブ・カード 野望の階段』風の動画を投稿している。奇妙な動画の中で、スペイシーはドラマのフランク・アンダーウッド役に扮してこう言っている。「今度誰かに気に入らないことをされたら、強気に出るのもいいだろう。だが怒りを堪えて、予想外のことをしてやるのもいいだろう。そう……死ぬほど優しくするとかね」