the chef cooks meの下村亮介が選んだ2019年の年間ベスト

the chef cooks me

様々なアーティストに「2019年の年間ベスト」を答えてもらうRolling Stone Japanの特別企画。今回は2019年3月21日開催の「ツタロックフェス2020」の出演者達にフォーカスを当て、the chef cooks meの下村亮介によるセレクトをコメント付きで紹介。

◎ベスト・アルバム

Steve Lacy『Apollo XXI』


ギタリストとしてもプロデューサーとしてもソングライターとしても注目を浴びている彼が、2019年にデビュー作としてリリースした作品がこのアルバムでとても刺激的でした。楽曲・サウンドともに自然体で感覚的、痛快なまでに自由。決して真新しいことをしているわけではないと思うのですが、まるで一筆書きのような楽曲たちが僕にとっては最新の音楽として響きました。世界的にも意義のある一枚なのではないかな?と思います。やはりギターはカッコよくなければ!

Rex Orange County『Pony』


とにかくソングライティングと彼の歌声が素晴らしい! 以前の作品やこれまでの様々なミュージシャンとのコラボレーションからも彼の才能は十分に認知されていると思うのですが、この作品は「まさに2019年、少しだけ停滞してしまいそうな雰囲気が漂う今に聴きたかった!」という曲ばかり。オーセンティックな音楽に対しての愛も感じるけれど、時代の音もするし、どの曲もメロディが美しく、貫徹してポップミュージック。聴いていて嬉しくなり、気づいたら泣きながら笑ってました。Steve Lacyにも言えることですが、国や音楽を飛び越え、有機的でポジティブなムーブメントを作ってくれそうな稀有な存在だと思います。今後もよりいっそう楽しみです。

Little Simz『GREY Area』


何から何までクールで惚れ惚れしました。アルバムタイトルが物語っている通り、トレンドや時代に媚びず我が道を行く感じが最高です。内省的でどこにも属さないということは陰鬱で暗いわけではなく、真の強さだと彼女の曲を聴いていて改めて感じました。その証拠に彼女のライヴは決して閉じていない。グルーヴィーな演奏をするバンドに乗っかってアジテートする姿はポジティブで、本人にも観客にも笑顔が溢れている。いち早く取っ払った方がムードなんかも、彼女ならば前向きにぶち壊していってくれるんじゃないかという希望すら感じさせてくれます。
 
◎2019年によく聴いた曲

Bren Joy 「Upper East Side」


なんとなく感じる90’sのあの感じ。「今のムードでこんな曲が聴きたかった!」と嬉しくなりました。踊りながら歩けると思います。

Ariana Grande「thank u, next」


どこを切り取っても素晴らしい曲だと思います。中でも詩が好きです。名もなき嘲笑なんてぶっ飛ばして、また日本に来てくれることを願っています。

折坂悠太「朝顔」


自分にとって、2019年に日本語がもっとも美しく響いた楽曲でした。優しい気付き、押し付けがましくないけれど身震いするほど強い問い、をこの楽曲にもらいました。

beabadoobee「She Plays Bass」


一聴き惚れしました。誰でも好きになってしまうんじゃないかと思うメロディと声。ギターはジャーンとカッコいいのが一番!

Mahalia「Square1」


ビートやサウンド何よりの彼女のボーカリゼーションが自分にとってのツボでした。この曲は特に聴きこんだ気がします。

Jamila Woods「ZORA」


しなやかで、聡明で、優しく、強い。アルバムも素晴らしいのですが、特に強く惹かれた曲です。

Vegyn「It’s Nice to Be Alive」


構成するシンセサイザーやドラムマシーンの音に対して、ストリングスの音の絡みがクセになり一時期ずっと聴いていました。

パソコン音楽クラブ, イノウエワラビ「reiji no machi」


大好きな夜の散歩中のヘビーローテションにさせてもらいました。サウンドも最高なのですが、詩も大好きです。

長谷川白紙「あなただけ」


とんでもない才能の持ち主がここ日本でも数多現れる中、自分にとっても最も強烈な楽曲でした。日本のポップミュージックの可能性を確実に更新されているなぁと痛感しました。

Tyler The Creator「EARFQUAKE」


「やっぱりタイラーはカッコいい!」と改めて感じました。シンセサイザーの使い方がとにかく好きです。

◎2019年を振り返って/2020年の展望

2019年もここでは挙げきれないほど好きな音楽が増えたことを嬉しく思っています。私感ではありますが、メッセージの強い音楽があらゆる国で生まれていたように感じています。今年は2020年代となるわけですが、どんな変化にも想いの強さと時間は付き物だと思います。2019年に生まれたそんな音楽たちに込められたメッセージがあらゆる地域で種となり、芽を出し、花が咲くように、人々の希望に結びついてゆくことを願って止みません。

個人的には6年ぶりに『Feeling』という作品がリリースできました。バンドは当初の形とはだいぶ様変わりしてしまったので幾ばくかの切なさもありましたが、再度スタートを切り、自由のようなものを手にした気もしています。そんな感覚とFeelingというアルバムを携え、あらゆる場所で、あらゆる形で、表現活動を行っていきたいと思っています。あと通年の目標でありますが、もっと強く、もっと優しくなりたいと思います。



<INFORMATION>

『Feeling』
the chef cooks me
発売中

=「Feeling」 Release Show =

<Tokyo>
日程:2020年1月17日(金)
会場:Shibuya WWW
時間:Open19:00 / Start19:30
チケット:adv¥3,500 / door¥4,000 (+1D) 
http://thechefcooksme.com/live.html

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「Unknown Tokyo -5th.Anniversary-」
日程:2020年2月21日(金)
会場:新宿LOFT
時間:Open / Start18:00~
出演:avengers in sci-fi, the chef cooks me, パソコン音楽クラブ, gato, ravenknee, タイラダイスケ(DJ)
チケット:adv¥4,000 / door¥4,500 (+1D)
※各プレイガイドにて発売中!
http://thechefcooksme.com/live.html



ツタロックフェス2020
supported by Tポイント

ASIAN KUNG-FU GENERATION
ゲスの極み乙女。
the chef cooks me
sumika
Tempalay
04 Limited Sazabys
PEDRO
MY FIRST STORY
マカロニえんぴつ
…and more!
 
ファミリーマート1次先着先行受付【1月14日(火)12:00~1月20日(月)23:59】
 
専用URL: https://eplus.jp/tsutarockfes/ 
 
※申込枚数制限:お1人様4枚まで
※ご利用には「e+(イープラス)」への会員登録が必要となります(入会金・年会費は必要ありません)
 
【開催概要】
ツタロックフェス2020 supported by Tポイント
2020年3月21日(土)
幕張メッセ国際展示場9・10・11ホール
開場/開演/終演:9:00/11:00/21:30 ※変更可能性あり
主催:CCCミュージックラボ(株)/ライブマスターズ(株)
企画:CCCミュージックラボ(株)
制作:ライブマスターズ(株)
運営:(株)ディスクガレージ
特別協賛:(株)Tポイント・ジャパン
協賛:Eggs
協力:(株)TSUTAYA / カルチュア・エンタテインメント(株) / Rolling Stone Japan
問い合わせ:http://tsutaya.jp/tsutarockfes2020/

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