田中宗一郎が解説、フォークが出自のエド・シーランはアンチ・ポップスター?

エド・シーラン(Courtesy of WARNER MUSIC)

音楽評論家・田中宗一郎と映画・音楽ジャーナリストの宇野維正が旬なポップカルチャーの話題を縦横無尽に語りまくる、音楽カルチャー誌「Rolling Stone Japan」の人気連載「POP RULES THE WORLD」。

2019年9月25日発売号の対談では、豪華ゲストが揃い踏みしたコラボ・アルバム『No.6 コラボレーションズ・プロジェクト』を大ヒットさせているエド・シーランについて、宇野と田中が意見を交わしている。

宇野が「エド・シーランにはいい意味での軽薄さがある」と指摘したことを受け、田中は彼を理解するにはフォーク・ミュージシャンというアイデンティティについて考えるのが重要だと話している。

田中:エド・シーランの軽薄さというのはアンチ・ポップスターってことなんだと思う。で、それを促しているのは彼のフォーク・ミュージシャンっていうアイデンティティ。そういう意味では筋が通ってる。要は、「自分は皆さんが考えていることを歌っているだけで、自分の気持ちを歌ってるわけじゃないんですよ」っていう。だから、コラボ・アルバムを作るのもゲストを呼んで賑やかしをしようってことではなく、自分はあくまで全体の中の一人なんだ、ってことなんだよね。「そもそも自分名義でアルバムを出すこと自体、おこがましくない?」ってアイデンティティの人だから。

本誌での2人の会話は、エド・シーランが出演している映画『イエスタデイ』の批評性や、作品内でのビートルズの描き方の是非にまで及んでいる。

Edited by The Sign Magazine


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