ラナ・デル・レイの「ゲット・フリー」はレディオヘッド「クリープ」の盗作だったのか? 田中宗一郎が分析

ラナ・デル・レイ(Photo by Mat Hayward/Getty Images)

音楽評論家・田中宗一郎と映画・音楽ジャーナリストの宇野維正が旬なポップカルチャーの話題を縦横無尽に語りまくる、音楽カルチャー誌「Rolling Stone Japan」の人気連載「POP RULES THE WORLD」。

2019年9月25日発売号の対談では、ニュー・アルバム『ノーマン・ファッキング・ロックウェル!』が全米初登場3位につけ、海外の有力メディアから軒並み絶賛を受けているラナ・デル・レイに注目。2016年にリリースされた前作『ラスト・フォー・ライフ』収録曲である「ゲット・フリー」はレディオヘッド「クリープ」盗作ではないか? という騒動があったことに対し、田中が分析を加えている。

田中:ほら、前作の最後に入ってた「ゲット・フリー」って、レディオヘッドの「クリープ」の盗作騒ぎとかもあったじゃん。

宇野」確かにコード進行はほぼ同じでしたよね。

田中:I→III7→IV→IVmっていうね。でも、このトニックから三度の7thに行くとか、サブドミナントからサブドミナント・マイナーに行くっていうのは、50年代のロッカ・バラッドの定型なんですよ。で、前作『ラスト・フォー・ライフ』はそうした50年代のテイストをどの曲も意識的に使っていて。だから、例の盗作騒ぎも仕方ないっていうか。


Lana Del Rey - Get Free (Official Audio)



本誌での2人の会話は、彼女のアメリカ文化に対するオブセッションやその優れた批評性、ジャック・アントノフや長年のコラボレーターであるリック・ノウェルスのプロデュース・ワーク、そしてラナ・デル・レイとビリー・アイリッシュとの位相にまで話が及んでいる。

Edited by The Sign Magazine

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