斉藤壮馬、音楽への偏愛を語る「ピート・ドハーティの言葉には魔法がある」

ヒプノシスマイク について

ー日本のアーティストの方でもあまりいないと思いますよ、ガレージでザ・スターリンっぽい曲を演奏している人って。そんな斉藤さんは、今一大ムーブメントとなっているヒプノシスマイクをどう捉えていますか?

斉藤 一番最初に企画をいただいた時に、すごく面白そうだなと思いました。僕も詳しくはないのですが、ヒップホップを聴くこと自体は好きだったので。『フリースタイルダンジョン』が流行っていたりして、これはもしかしたら“何かあるかもしれないな”と。ヒップホップカルチャーとアニメ的な感覚がどうマッチングするかは未知数だなと。正直、最初は我々役者もクリエイターさんたちも、好きなことや面白いことをやってみようといういい意味での悪ノリがあったんですけど、まさかこれほどいろいろな方に聴いていただけるとは。逆に自分もヒプマイを通じて、こういうフロウの仕方があるんだとか、新しいアーティストさんを知って、この人好きだなと発見することができて。僕はいち声優として作品に関わっているだけに過ぎませんが、ヒッピホップってどうディグればいいのか難しいと思っていたところに、いい手掛かりをたくさんもらえて、すごく自分的にはありがたいなっていう感じです。

ー最後に、2019年の私的ベストを挙げるとしたら何ですか?

斉藤 パッと思い浮かんだので言うとTempalayさんの「どうしよう」。最初に聴いた時はめちゃくちゃ衝撃でしたね。ローリング・ストーンズもやっていたみたいですけど、ギターを完璧にチューニングしてあとに(チューニングを)少し下げてちょっと狂わすみたいな。それが絶妙な浮揚感を生んでいて、“僕もこういうのやりたいな”って。MVもPERIMETRONが作っていて、King Gnuさんもそうだけど、おしゃれなバンドの多くをPERIMETRONチームが作っているんだなって。とにかくMVがすごく良くて、僕はM・ナイト・シャマラン監督の『ヴィレッジ』っていう映画が好きなんですけど、色使いとかが似ているなと。ダークファンタジーっぽいというか。MVも曲も歌詞も全部ガツンとやられました。その後に出したアルバム『21世紀より愛をこめて』も良くて。「そなちね」っていう曲、めちゃくちゃいいですよね。





ー確かにいい曲ですね。


斉藤 「どうしよう」からのアルバムの流れは、今年聴いた中で一番きましたね。洋楽だとそれこそマック・デマルコとトム・ミッシュ。トム・ミッシュも最初に聴いた時はおしゃれでいいなって。邦楽ではやりづらい音作りなんですけど、トム・ミッシュみたいな音楽もすごくやりたいなと思いました。やりたいことをやるためには、それをできる結果を出さないといけない。例えば今回の記事を見て、僕のことは知らないけど1曲だけ聴いてみるかとか。そんな風に、声優を知らない人でも聴いていただけたらそれが一番嬉しいなと思います。








斉藤壮馬
4月22日生まれ。山梨県出身。17歳の時に、所属事務所(81プロデュース)のオーディションにて優秀賞を受賞。都内大学へ進学後、在学中に本格的な声優デビューを果たす。洞察力に富んだ解釈と多様なアプローチで、様々なキャラクターを演じ分ける表現力の高さが魅力。アニメ・ゲーム作品等のキャラクターソングにおいて、キャラクターの声を維持したままの歌唱力の高さにも定評があり、2017年6月にSACRA MUSICよりアーティストデビュー。本格的に音楽活動をスタートさせる。デビューシングル「フィッシュストーリー」はオリコン週間チャート初登場9位、またTV アニメ『活撃刀剣乱舞』オープニングテーマ「ヒカリ断ツ雨」を収録したセカンドシングル「夜明けはまだ/ヒカリ断ツ雨」では同チャート初登場7位を獲得。2019年、第13回声優アワードにてヒプノシスマイクとして歌唱賞を、アニメージュ第41回アニメグランプリ声優部門にてグランプリを受賞。
https://www.saitosoma.com

Interviewed by  Takuro Ueno(Rolling Stone Japan)


<INFORMATION>

『my blue vacation』
斉藤壮馬
SACRA MUSIC
発売中

<初回生産限定盤>


<通常盤>




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