J-POPの歴史「1986年と1987年、新しい扉が開いたロック元年」

1986年に初来日したイギリスのチャールズ皇太子とダイアナ妃(Photo by Jayne Fincher/Princess Diana Archive/Getty Images)



BOØWYの渋公ライブで起きた「ロック史上、劇的な瞬間」

1987年12月24日、BOØWYの渋谷公会堂、アンコール最後の曲「Dreamin’」です。BOØWYは9月に6枚目のアルバム『PSYCHOPATH』を出して、9月16日からツアーに出ていました。ツアーが始まったときから、ひょっとして解散するんじゃないか、という噂がずっと流れていて、ツアーファイナルを迎えてしまったんですね。渋谷公会堂、中で何かが起きているということで集まったお客さん1000人ぐらいが中に入ろうとして渋公の正面玄関が割れたという、そういう出来事がありましたね。実は、このコンサートを僕は見ていないんです。見ていないっていうよりも、見せてもらえなかったと言ったほうが正しいかもしれません。お声がかからなかった。僕はこの日、RCサクセションの武道館。BOØWYは自分たちのインディーズの事務所から始めていてるバンドですから、最初から関わっていた人たちでやりたいというある種誓いみたいなものがあった。僕はちょっと歳が上でしたし、甲斐バンドとか浜田省吾さんとか、そういう人たちを書く機会が多かった。土屋さんというマネージャーがいました。のちに「氷室がソロになるので、これからよろしくおねがいします」とLAST GIGSの後に連絡をくれるんですが、そのとき土屋さんに「俺、渋公見てないんだけどいいのかな」って言ったら、「いやいいんです。田家さんはおじさんだと思っていましたからお呼びしませんでした」ってはっきり言われました。「これからはそういう人たちともお付き合いしたいのでよろしくお願いします」と。BOØWYはそういうバンドでした。

ロック史上、劇的な瞬間っていうのはたくさんありますが、これは映画になっていますしコンプリート版も出ました。こんなに男が泣かされる場面を僕は知りません。アンコールがはじまって、客席も固唾をのんでいる中で氷室さんが口を開きます。その時に、氷室さんは何度も布袋さんのほうを見るんです。「お前、本当にいいのか?」って感じで見るんですけど、布袋さんがその目をそらすんです。これはぜひ映像でご覧ください。今見ても泣きます。その翌日、新聞に解散が発表されるんですね。88年4月4日5日の東京ドームが最後のLAST GIGSになるわけです。その話は来週。

「J-POP LEGEND FORUM」

流れているのはこの番組の後テーマ、竹内まりやさんの「静かな伝説(レジェンド)」です。個人的なと最初にも申し上げましたが、かなりどころじゃないですね(笑)。まったく個人的な80年代グラフィティ。まあ、80年代ノートですからね。取材したり、ライブを見たり、インタビューしたり、気になっていたり、そういう人たちの話が中心になっております。

冒頭で80年代が開花期と言いました。開花期そして転換期でもあった。鈴木雅之さんがソロになってデビューしたり、久保田利伸さんがデビューしたのもこの頃です。そうやって花を開いたいくつもの新しいジャンルの音楽の中にファンクという言葉がありました。ファンクっていうのは、70年代には日本のロックの中ではほとんど使われてこなかった。そういう音楽をやっている人たちがいなかったんですね。久保田さんがデビューしたとき、松任谷由実さんが言った言葉があったんですけど、「山下くんが10年かかったところを3年でやった」と。久保田利伸さんの登場によってファンクという言葉が誰でもが使えるようになった、音楽をイメージできるようになった。そういう存在でしたね。89年にFM802が開局したときに、ファンキーミュージックステーションというふうに使っていたんですね。90年かな、大阪のスポーツニッポンで「平成バンド天国」って連載を書いたことがありまして、802の今の社長の栗花落光さんにお話を伺ったことがあったんです。「ファンクってどういう意味ですか?」って聞いたら、彼が「ごっつええやんってことですよ」と言っていて。いやあ、いい答えだなと思った記憶があります。802の開局も、来週ですね。

怒涛の80年代。来週は最終週、88年、89年。昭和も終わります。


「J-POP LEGEND FORUM」でDJを務める音楽評論家・田家秀樹。手にしているのはBOØWYが解散宣言をしたLIVEステージを収めた『BOØWY 1224 FILM THE MOVIE 2013 ORIGINAL SOUNDTRACK』のCDジャケットで。


<INFORMATION>

田家秀樹
1946年、千葉県船橋市生まれ。中央大法学部政治学科卒。1969年、タウン誌のはしりとなった「新宿プレイマップ」創刊編集者を皮切りに、「セイ!ヤング」などの放送作家、若者雑誌編集長を経て音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、音楽番組パーソリナリテイとして活躍中。
https://takehideki.jimdo.com
https://takehideki.exblog.jp

「J-POP LEGEND FORUM」
月 21:00-22:00
音楽評論家・田家秀樹が日本の音楽の礎となったアーティストに毎月1組ずつスポットを当て、本人や当時の関係者から深く掘り下げた話を引き出す1時間。
https://cocolo.jp/service/homepage/index/1210
OFFICIAL WEBSITE : https://cocolo.jp/
OFFICIAL Twitter :@fmcocolo765
OFFICIAL Facebook : @FMCOCOLO
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cocolo.jp/i/radiko


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