ボブ・ディランの最新USツアーレポート到着、来日公演の展望を大胆予想

2020年4月にボブ・ディランの来日コンサートが決まった。本格的ツアーとしては、2016年4月以来、9回目の日本ツアー。しかも会場は、過去2010年、2014年にもツアーをおこなったことのある、ボブが気に入ったと言われるZepp限定ツアーだ。世界中のファンがうらやむのも当然だろう。

ボブ・ディランは、来日のたびにちがったコンサートを見せてくれる。古くからディランを追いかけているファンは、今や伝説とされる1978年の衝撃的な初来日のステージを鮮明に覚えているはずだ。当時はフォークの神様と称されたボブが、13人編成のバンドをバックにラスヴェガスを連想させるようなステージ衣装でステージに現れ、ファンならだれもが知っているはずの代表曲を、すぐにはわからないほど大胆に変えたアレンジで歌った。その後も、86年にはトム・ペティ&ザ・ハートブレーカーズをバック・バンドにしたロック・ショーを、1988年にスタートさせたネヴァーエンディング・ツアーで初めて来日した1994年にはスティールギターを加えたカントリー色の濃いステージを、97年は観客をステージに上げるほどの驚きのステージを、2001年はチャーリー・セクストン、ラリー・キャンベルと二人のギタリストが在籍した極上のステージを、2010、14年はスタンディングでおこなわれたZeppツアーを、16年はピアノに専念するボブが多くのアメリカン・スタンダードをカバーするなど大人の雰囲気にあふれるホール・ツアーを、と来日のたびに異なるステージを展開している。

はたして来年のツアーはどうなるのだろう? ボブの行動はだれにも予測できないが、強いて予想するなら、代表曲をギターやピアノを演奏しながら新しいセットリスト、2020年版「ザ・セット」を世界に先駆けて日本ツアーで初めて見せてくれるはずだ。14年のZeppツアーではだれも予測しなかったし、あまり知られていなかった「ハックス・チューン」を初めてライヴで歌ったこともあった。メンバーは、チャーリー・セクストン、ボブ・ブリット、ドニー・ヘロン、マット・チェンバレン、トニー・ガーニエの5人編成で来日すると思う。マネキン人形も連れてくるだろう。もしかしたら、新しいセットリストにうわさされているニューアルバムから新曲も登場するかもしれない。2019年12月から2020年3月末までは、ツアーがないのでスケジュールも空いている。2012年の『テンペスト』以降、3枚のスタジオ録音アルバムを発表しているが、すベてアメリカン・ソングブックのカバーだった。そろそろ新作を発表しても不思議ではない。期待は高まるばかりだ。いずれにしても、何かが起きる。ボブは過去を振り向かない。過去の再現や何かのコピーはしない。挑戦の連続だ。その瞬間、その時に生まれるものを大事にする。奇跡の瞬間を見逃さないようにしたい。そのためにも、何度もZeppに足を運ぼうと思っている。

文:菅野ヘッケル



<来日公演情報>

Bob Dylan and his Band

Bob Dylan and his Band

2020年
4/1(水)東京:Zepp DiverCity    18:00/19:00
2(木)東京:Zepp DiverCity    18:00/19:00
4(土)東京:Zepp DiverCity    16:00/17:00
5(日)東京:Zepp DiverCity    16:00/17:00
6(月)東京:Zepp DiverCity    18:00/19:00

8(水)大阪:Zepp Namba    18:00/19:00
9(木)大阪:Zepp Namba    18:00/19:00  
10(金)大阪:Zepp Namba    18:00/19:00  

14(火)東京:Zepp Tokyo    18:00/19:00
15(水)東京:Zepp Tokyo    18:00/19:00
17(金)東京:Zepp DiverCity    18:00/19:00
19(日)東京:Zepp DiverCity    16:00/17:00
20(月)東京:Zepp DiverCity    18:00/19:00
21(火)東京:Zepp DiverCity    18:00/19:00

チケット料金:
1Fスタンディング ¥19,000(入場整理番号付・税込)
2F指定席 ¥25,000(税込)
※入場時ドリンク代別途必要
一般発売:2019年11月23日(土・祝)

詳細
https://udo.jp/concert/BobDylan

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