くりぃむしちゅー有田哲平はプロレスから何を学んだのか?

『有田と週刊プロレスと』(©flag Co.,Ltd.)

くりぃむしちゅー有田哲平がナビゲートするプロレストークバラエティ『有田と週刊プロレスと』のファイナルシーズン最終回がAmazon Prime Videoで配信された。

有田が毎回1冊の「週刊プロレス」をテーマに、プロレスから学ぶべき人生の教訓を伝授するこの番組。2016年からスタートし、気づけばシーズン4までシリーズ化。今回、ファイナルシーズン最終回まで駆け抜けた有田にインタビューを実施した。



―まず、有田さんがプロレスにハマったきっかけから教えていただけますか?

きっかけは、僕の兄です。年齢が7歳離れてるんですけど、その兄貴がほとんど僕をかたどった人なんですよ。僕が5歳の時に、兄貴は中学生だったんですね。だからその頃からビートルズを教えてくれたりとか、ブルース・リーや洋画なんかもそうですね。その辺の小学生がアニメの曲のレコードを買ってる時に、僕一人だけビートルズのレコードとかを買いに行ったりしてたんです。    

その流れで、当時うちの兄貴が予備校に通っていたので僕が小学校5年生くらいの時だったと思いますが、ちょうどプロレスブームだったんですよ。タイガーマスクがブームで、いつもの感じでまた兄貴から「タイガーマスクって本当にいるの知ってるか」と聞かれて、何を言ってるんだっていう……(笑)。

―なんだか番組を目の前で見てるみたいです(笑)。

熊本ではプロレス中継の放送が深夜だったので、当時の僕は当然目にすることはなかったんですね。だから兄貴は何を訳のわからないこと言ってるのかなと思っていたら、ある日の夜中に、親が寝静まった後にこっそりテレビでプロレス中継を見せてくれて。それで見たのが、たまたまタイガーマスクかなと思うんですけど。その時はなるほどーくらいだったんですが、そこから何度かプロレスの雑誌を開くようになった時に出会ったのが長州力さんですね。長州さんの「噛ませ犬」発言を見てからどっぷりハマっていきました。

―雑誌というのは『週刊プロレス』だったんですか。

実は、週刊プロレスは当時まだ発売されていなかったんですよ(※1983年より週刊化)。その頃は『デラックスプロレス』『月刊プロレス』もしくは『ゴング』で、1カ月に2回くらいしかない時代だったんです。だからそれらを読んでましたね。結局そこからハマったので、月刊プロレスが『週刊プロレス』になりますよっていう時には既に僕はどっぷりファンだったんです。だから週刊プロレスは1号から全部持ってるんですよ。

―プロレスの魅力を一言で言うと、有田さんにとってどういう言葉になりますか?

この番組を見ていただいている方はおわかりだと思うんですが、毎回必ず番組の最後に『プロレスから学ぶ人生に役立つ教え』という一言があるんです。今回取り上げた事件から何を学べばいいかという教訓ですね。それを見ていったら、結局人生のほとんどはプロレスから学べるんですよ。

最近は、メディアの中で「それお前、プロレスじゃないか」とか「プロレスやるか」みたいな言葉が使われたりしますよね? 僕らが言うプロレスはそれとはニュアンスが違うんですが、言ってみれば全部がプロレスなんですよ。世の中がプロレスなのか、プロレスが世の中に合わせてるのかわからないっていうくらい、プロレスというフィルターで物事を見れば、全部が繋がってきちゃうんですよね。

だから魅力といいますか……もう、全てなんです。世の中の全てがプロレス(笑)。失礼な話になるかもしれませんが、例えばラグビーが今年流行りましたよね。すごく面白いと思いますし、僕も見てましたけど。ラグビーワールドカップ、日本頑張れ!頑張れ!よっしゃ!勝った!よっしゃ、日本、決勝トーナメント行く!っていう応援じゃないですか。違うんですよね、プロレスって。勝ったとか負けたとかだけではなくて、その裏にいろんな背景だったりリアルな人間模様が絡み合っていて、いろいろな歴史が全て繋がってくるんです。だからプロレスは長く見れば見るほど楽しめるし、考えさせられるんですよね。そのかわり、ラグビーみたいに勝ってやったー!ってスカッと「酒飲もうか!」とはならない。応援してる選手が勝ったとしても、試合が終わった後に酒飲みながら、「これはどういう意味なんだろうな……」って(笑)。

―ですよね(笑)。

プロレスファンだったらわかると思うんですけども。

―行間を考える。

そう、行間なんですよ! いわゆる世間で言う、おしゃべりしてる中でも行間を読まなきゃいけないとか、なんとなくこっちでしゃべってるけど、あっちの人の顔も……とか、そんなのも全部プロレスなんです!

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