IWGPヘビー級王者オカダ・カズチカが抱く「プロレス」を担う覚悟

強さはもちろん容姿やファッションでも相手を圧倒するのが王者の務め

─4日のタイトルマッチでは、2019年のG1覇者でもある飯伏幸太選手が挑戦者となります。G1では敗れたものの、シングルでの通算成績は2勝1敗で、オカダ選手が勝ち越している状態。対戦相手として、飯伏選手をどう見ていますか?

オカダ 素晴らしい選手だとは思います。強くなければG1で優勝できないわけですから。対戦相手としての興味でいえば、僕はまだ飯伏さんの“覚醒”を体験していないんですよ。G1の試合では、飯伏さんの“覚醒”を引き出す前に負けちゃいました(苦笑)。

─通常のプロレスではあり得ない、予測不能な動きや危険な技を繰り出す状態になる“覚醒”は、飯伏選手ならではの特殊能力。批判の声もありますが、レスラーとしては、やはり味わってみたいものなんでしょうか?

オカダ “覚醒”させないで勝てれば、それに越したことはないんですけどね(笑)。でも、G1での借りを返す意味でも、ここはしっかりと“覚醒”させたうえで勝ちたいですよ。相手のすべてを引き出したうえで圧倒するのが、王者の務めですから。

─相手を圧倒するという点でいえば、4日のタイトルマッチって、新日本マットを代表する、女性人気が高いイケメン同士の闘いでもありますよね。

オカダ そうですね(キッパリ)。まぁ、カッコよさに関しても負けたくはないですよ。リング上に限らず、そこは普段から見せつけていきたいですね。

プロレスは相手あってこそ。内藤哲也に対して感じるリスペクトは「Tシャツ」?

─今回撮影した写真を見ても、オカダ選手の魅力はますますアップしていますしね。

オカダ はい!(笑)


Photo by Shuya Nakano

─ゆるぎない自信!! それでいうと、5日の対戦相手候補となる、IWGPインターコンチネンタル戦を闘う2選手もまた、実力はもちろんファンからの人気も高いですよね。ジェイ・ホワイト選手に関しては、オカダ選手に負けず劣らずのファッショニスタですし。

オカダ 彼は、明らかに僕の影響を受けてますよね。

─そうなんですか!?

オカダ そう思いますよ。CHAOS(オカダ選手が率いるユニット)にいた頃から、僕の背中を見て育ったわけですから。記者会見はもちろん、メディアの前ではスーツ姿で決める、みたいなプロレスラーとしてのファッション美学は、僕から学んでいるはずです。

─なるほど。ちなみに、内藤選手のファッションについては? オカダ選手、ジェイ選手とは一味違うセンスを持っていますが。

オカダ 独自の美学がありますよね。ファッションまわりで内藤さんが凄いと思うのは、自分のユニット(ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン/LIJ)のTシャツやキャップですよ。LIJのTシャツって、会場だけじゃなく街中でもよく見かけるじゃないですか。

─言われてみれば、そういう風にプロレスグッズが流行ったのって、蝶野正洋さんのnWo以来ですよね。

オカダ まさに、世間に届いたムーブメントというか。それを成し遂げたのは、本当にびっくりしたし、素直に尊敬できるな、と思います。2冠問題の言い出しっぺなので、5日に対戦することがあれば、しっかり倒して、これ以上グダグダ言わせないようにしておきたいですけど。

─先ほどの「敵味方関係なく、選手が一丸となって大会を盛り上げないと」という発言もそうでしたが、こうして話を聞いていると、オカダ選手って1選手という立場よりも、一段高い場所から現状を俯瞰できているように思えます。

オカダ プロレスって、一人ではできないんですよ。対戦相手がいてこそ試合が成り立つわけで。基本は闘いですから、互いにピリピリすることもあるけど、プロレスという大きな枠で捉えれば、やっぱり互いに、プロレスを盛り上げたいという想いはみんな一緒だと思うんです。実際、飯伏さんも内藤さんもジェイも、階級は違うけどオスプレイだって凄い選手じゃないですか。そこは認めてますよね。

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