Z世代が動物の着ぐるみにハマるのは「自分らしくなれるから」

「着ぐるみを着れば自分の殻を破ることができる」(Photo by Lyndon French for Rolling Stone)



子供たちがTikTokでファーリーにハマる理由

ファーリーはTikTokでも大ブレイクしている。Pyxeや(フォロワー数19万5000人)Halfy(同11万9000人)、Barry Angel Dragon(同9万8000人)といったファーリーはカラフルな愛くるしいファーソナで、比較的短期間で大量のファンを獲得した。「ファーリー対ゲーマー戦争」が再燃した舞台もやはりTikTokだった。2019年に入ってから登場したミームは、基本的にTikTokのデュエット機能を使って両サイドがしのぎを削るというものだ(ただPyxeが言うには、実際には両派は重複している。ファーリー兼ゲーマーもいれば、少しばかりファーリーに共感を覚えるゲーマーもいる)。

@irobbing

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テキサス州ヒューストン出身の23歳Pyxe曰く、彼のフォロワーは73%が13~18歳で、ファーリーのファン層全体は男性の方が多い中、彼のファンは大半が女の子だという。(男性が「飲み会ノリのアダルト系」寄りなのとは対照的に、ティーンの女の子たちは「カワイイ系」に魅かれる傾向にある)。



Pyxeの着ぐるみ装着時(左)と脱いだところ(右)(Photos courtesy @robbing_u)

「子供たちはみんなTikTokをやってます。若い(年齢層の)子たち向けだし、コンテンツも短い。子供の集中力はすごく短いですしね」と彼は言う。「多くの場合、子供たちはファーリーを見て、もっと知りたくなって、そうやって仲間に加わるんです」(まさしく9歳の鹿のEmilyも8歳の時にTikTokでファーリーを知った。我々が取材したときも、彼女は17万8000人のフォロワーを誇るイギリス出身のジャーマンシェパード、Tequila Shepherdを待っているところだった)。

多くの点で、ファーリーのTikTok動画は他のTikTokとさほど変わらない。様々な人気曲に合わせて踊ったり、面白動画を作成するだけだ。だが時間の制約と特化型アルゴリズムのおかげで、例えばYouTubeほど自己アピール色は強くない。それがまたファーリーの間でTikTokが人気の理由だ。YouTubeだと、自分の素性がバレるのではと恐れているのだ。「子供はソーとかアイアンマンとかマーベルとか、そういうのが好きですよね。でも、演じている俳優が誰かは知りたがらない。キャラクターにしか興味がないんです」と言うのは21歳のTikTokファーリー、Doppio。「みんな自分の好きなものがよくわかっています」

TikTokのファーリー・コンテンツのクリエイターたちはみな、ファーリーの性的側面に懸念を抱く親もいるため、警戒される要素がないように配慮もしている。「TikTokが広まる以前は、親たちは子供をファーリーのコンベンションに連れて行くのに及び腰でした」と言うのは、黒と黄色のドラゴンをファーソナに持つ25歳の元アメリカ空軍現場技師、Barry。「今は親がTikTokを見て、『悪くないね』と言って他の親に教えるんですよ」

@barryxangelxdrago

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子供たちやティーンのファーリー・コミュニティ参入は驚きに値する。従来ファーリー・コミュニティは年齢層がもう少し上だったということに加え(コール氏によれば、Antroconの来場者はほとんどが25~29歳)、『アントラージュ★オレたちのハリウッド』や『CSI:科学捜査班』といった番組で植え付けられた既成概念のせいで、ファーリーは性的なものだという偏見があるからだ。実際、ファーリーに足を踏み入れた子供の親はみな、我が子の興味の対象を知るやいなや、こうした偏見と葛藤しなくてはならなかった。「交流会に呼ばれると、『CSIで見たことあるわ、うちの子供がこんなのにはまったら大変』とか『ディーラーの巣穴(註:Midwest FurFestの物販エリア)に行ったら、あの手のいかがわしいものばかり売ってました』と言う親御さんが必ず1人はいます」とPyxeも言う。

Translated by Akiko Kato

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