限界の淵を見た男、高橋ヒロムが東京ドームで掴む2つの「栄光」

高橋ヒロム(Photo by Shuya Nakano)



怪我をしなければ見えない世界、進めない道もあるんだ

─東京ドームでの対戦相手としては、1月5日に予定されている獣神サンダー・ライガー選手の引退試合にも出場が決まりました。先日、ライガー選手にインタビューをした際、ヒロム選手に対し「ケガをしない運」を身に着けてほしい、というような発言をしていたんですよね。現役生活で大きな怪我が少なかった、ライガー選手ならではの優しい言葉だなぁと思ったのですが。

ヒロム ……俺へのエールだってことはわかりますけど、正直なとこ「運が悪かったからケガした」みたいなことを言ってほしくないんですよね。

─表情が変わりましたね。

ヒロム そもそも運が良いとか悪いとか、そういうの俺はあんまり信じていないっていうか、人生の最初から最後まで、自分に起こる出来事はすべて、あらかじめ決まっていると思っているんです。

─運命論者的な。

ヒロム そうですね。運命からは逃げられない、っていうか。だからこそ、降りかかった出来事を、自分なりに最大限ポジティブに活かさないとダメなんですよね。運悪くケガした、みたいな考え方だと、ネガティブになっちゃうじゃないですか。

─確かにそうですね。

ヒロム 怪我をしない選手がプロ、みたいな言い方をする人もいたけど、それも可笑しな話なんですよ。俺だって、怪我なんてしたくなかった。レスラーなら誰だってそうでしょ? でも、プロレスラーである以上、怪我のリスクから逃れることはできないんですよ。リングの上で、命がけで闘っているんですから。俺はあの怪我を運命として受け入れているし、あの怪我があったからこそ、様々な面で成長できた自分がいると思っています。怪我が縁となる、新しい出逢いもありましたしね。

─どういうことでしょう?

人間関係でいえば、マキシマム ザ ホルモンのダイスケはん(Vo)やflumpoolの山村隆太さん(Vo)と知り合いに知り合えました。変な話ですが、互いに同時期に怪我や病気で“欠場”していたことがきっかけで。お互いに今こんな練習をしているんだよとか報告しながら、励まし合っていました。

─確か、以前からマキシマム ザ ホルモンのファンでしたよね。

ヒロム そうなんですよ。同じ八王子出身っていうこともあって、俺の中では神的存在です。そのボーカルのダイスケはんと、知り合いになれたわけですから。しかも、ダイスケはんと山村さん、両方の復帰ライブを観ることもできたんです。彼らの“復帰戦”には、大きな刺激をいただきましたよ。俺も負けてられないなぁって。

─欠場中でなければ、ライブを観に行く時間なんてつくれないですものね。

ヒロム そうなんですよ。動けないわけじゃなかったですからね。欠場中は、ライブを含め様々なエンタメに積極的に触れるようにもしていました。今年のSUMMER SONICもバッチリYouTubeで家ソニ観戦してましたし。

─それこそ新日本プロレスのツアーと、がっつり重なってしまう時期ですものね。お目当てのバンドがいたとか?

ヒロム The 1975がヤバかったですね。サウンド的にはエクストリームっていうわけでもないんだけど、どこか生き急いでいる感じっていうか、なんか今の俺と通じ合うものがあるなって思えて。


Photo by Shuya Nakano

─ちょっと意外なチョイス。しかも、なかなか鋭い見方をしていますね。

ヒロム で、すごい好きになったんで、こりゃ単独ライブも観とかなきゃって、その後すぐタイまで追っかけたんですよね。

─なんと! それって、無茶苦茶フットワーク軽いじゃないですか。

ヒロム 元々そういうとこがあるのかも。そういえば、今朝メキシコから帰ってきたばかりだし。新日本の道場が工事中で使えないんですよ。だったら、メキシコで練習しようかなって、10日間ほど向こうに行ってきたばかりなんです。

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