限界の淵を見た男、高橋ヒロムが東京ドームで掴む2つの「栄光」

高橋ヒロム(Photo by Shuya Nakano)



オスプレイを倒すことで、ようやく「あの時」の続きが始まるんです

─タイトルマッチの相手となるIWGPジュニアヘビー級現王者のウィル・オスプレイ選手については、どう見ていますか? ヒロム選手の欠場中は、まさに新日本のジュニア戦線を席巻する存在になっていましたが。

ヒロム 俺がいない間の新日本ジュニアで、唯一焦らされたのがオスプレイでしたよね。あいつだけがズバ抜けて化け物。他の選手は、まったく眼中に入らなかったくらい。

─来日当初はアクロバティックな空中技が持ち味という印象でしたが、それこそヒロム選手が不在だった期間を通じ、それ以外の要素も含め、総合的に一回りも二回りも成長した感じがします。

ヒロム いや、彼は最初からすべてがズバ抜けていたんですよ。もし観客から見て、この期間で大きく成長したように思えるなら、それは彼が自分の強さや魅力をアピールする術を身に着けたということなのかもしれない。

─魅力という点でいえば、失礼ながらルックスも随分とカッコよくなりましたよね。最初の頃は、イギリスの好青年みたいに素朴な印象だったのに。

ヒロム 新日本プロレスでの闘いを通じて、自分に自信がついたんでしょうね。元々ズバ抜けていた男が自信を得てしまったんですから、これは恐ろしいですよ。

─先日の記者会見でも、全面的にオスプレイ選手を称賛していました。やはり今回は、そんな彼に挑む気持ちのほうが強いのでしょうか。

ヒロム もちろん立場的には挑戦者なので、挑む気持ちで闘いますけど、一方で東京ドームでの試合は、自分にとって「あの時」の続きという想いもありますよね。

─サンフランシスコでのタイトルマッチですね。

ヒロム 実はあのとき、俺としては最多防衛記録を狙うつもりで闘っていたんです。でも記録は結局2回で、しかもベルト返上という形で止まってしまった。だから、早く試合を再開させて(俺のベルトを)返してくれよって気持ちもあって。


Photo by Shuya Nakano

─とはいえヒロム選手が認めているように、現在のオスプレイ選手は、かなりの強敵ですよね。

ヒロム だからこそ、なんですよ。今のオスプレイを越えないことには、最多防衛記録なんて目指せっこないわけじゃないですか。それはつまり、オスプレイを倒さないと「あの時」の続きが再開できないってことなんです。

─止まっていた時計の針を、また動かしたいと。

ヒロム それどころか、まったく別世界の始まりですよ。1年半の間、俺を焦らせ続けていたオスプレイを倒した時の俺って、間違いなく最高に面白い存在になっているわけですからね。

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