なぜ日比谷野外音楽堂には自由な気風があるのか? 96年の歴史と未来を野音館長が語る

─野音の場合、4月から10月の土日だけがライブに使用できる期間ということもあって、1年の中で立てる回数が決まっているのも特別感の1つかなと思いました。

菊本:それもあるかもしれないですね。基本的に平日できないのは、音の問題なんですよね。近くに官庁とか一般企業のオフィスがあって、日中はみんな仕事をしているから、周りに迷惑をかけちゃいけないということで、平日はコンサートができないようになっちゃっているんです。あと、4月から10月に限定しているのは、冬の期間は野外で寒いからアーティストサイドが基本やらないんですよね。12月とか1月なんて手がかじかんじゃってギター弾けないでしょうし(笑)。ただ、近年は温暖化の影響もあって暖かい日もありますけどね。

─野外ならではの天候の問題もありますよね。野音の場合は、逆に雨が降ったら降ったで、伝説として語られることも多いですよね。

菊本:オーディエンスの方はずぶ濡れになって大変かもしれないけども、後になって思い出のコンサートということで、記憶に残る人も多いみたいですからね。

─すでに、2023年の100周年というのも見えていると思うのですが、この先の日比谷野音をどういう場所としていこうと考えられてらっしゃいますか。

菊本:3代目の野音の建物が1983年にできたので、今年で数えて36年経つんですね。来年のオリンピックが終わって、37年、38年になる。初代も2代も、だいたい30年スパンぐらいで建て替えているんですよ。そういう意味では、施設として老朽化してきているのは間違いないので、その改修だったり見直しは必要になってくると思います。まだきちっと決まっているわけではないけれど、40年近くになってくれば絶対検討せざるをえないと思います。

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