寺岡呼人とトータス松本が「妄想」「ブルース」を肴にカーリングシトーンズを語る

ロックスターたちの合宿生活

―合宿はどんな感じだったんですか?

トータス:昼前ぐらいにワラワラと集まって、ご飯を食べる人は食べて。それで昼ぐらいからスタジオに入って、何かしらから音出し始めて。夕方過ぎたらもう酒飲み出して。気が付いたら終わってるという(笑)。けど、夜中に和義君がいきなり「トータス、ちょっと曲できたからドラムで付き合ってよ」とか言われて、二人でスタジオ入ってセッションしたりとか。何か自由な感じでしたよ。

寺岡:そうそう、緩いんだけどやるみたいな。緩急が素晴らしかった。

トータス:我々、ある程度日数と場所さえ提供してもらえたら、アルバムなんかすぐ作れる。俺、今、言ったな(笑)。

―2枚目のアルバムはすぐいけると?

トータス:すぐ作れるね(笑)。

寺岡:メーカー的にはニヤリとしてるはずです(笑)。でも、今回の合宿って、ローリングストーンズがキースのフランスの家に集まってレコーディングしたことがあったけど、ああいう感覚ってもしかしたらこういう感じだったのかなと思いましたね。あれは合宿したからこそ生まれた、何か一つのマジックというか。

トータス:まさに!だから、マッスル・ショールズに行ったときも曲もほとんどなかったっていうね。だけど、何日間かで4曲も録ったんだぜ! すごいだろ!とか言って、あそこにはマジックがある!とかキースが言ってた。

―それはマジックではなくドラッグですよね(笑)。

トータス:間違いなくそうだ(笑)。いいように言うからなぁ。けど、場所があって、メンバーが集まって、そのメンバーのエネルギーが充実していれば、ものはできるもんやなっていう感じはしましたね。

―シトーンズの場合、一緒にやってきたバンドのメンバーではないわけじゃないですか?

トータス:そうやねえ。

―仲が良いとはいえ、制作、しかも合宿となると、ギスギスしたりとなかったんですか?

寺岡:全くない。全くない。

―やっぱりムードメーカーは、トータスさんと民生さん?

寺岡:皆だよね。

トータス:みんなそれぞれ普通にしていれば面白いというか。誰も無理してないんだよね。

寺岡:それはそうだよね。

トータス:誰がどういうこと主張するってこともなかったし。

―演奏に関しても、綿密な計画の元ではなく、集まったらなんとかなるみたいな?

トータス:そうそう。「俺弾くわ」みたいなものもあれば、「弾いてよ」、「おお分かった」ってのもあるし、そこに特に「えー!?」ってのはなかったし。


左からトータスシトーン(Vo, Gt, Dr)、寺岡シトーン(Vo, Gt, Ba, Key)(Courtesy of DREAMUSIC)

―これだけのキャリアと腕のミュージシャンだからこそできたことだとは思いますが、その贅沢なメンバーでこのふざけた内容なのがまた最高ですね。

トータス:アハハハ。ふざけてるつもりはないけど(笑)、あんまり肩に力は入ってないんやろうね、皆。

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