クラウド・ルーが語る音楽の力「一つのことを1年かけて話すのと、10年話し続けるのでは説得力が違う」

音楽を通して一番表現したいことは?

―第三段階ではドラマに出て主題歌を担当したことは、知名度をアップさせた以外に、表現者として何か影響を受けましたか?

それこそ演技をするということが、自分のステージにとってすごく大きな助けになった気がします。具体的にいうと、演技をする前は自分をどうやって表すのか、ライブでどう自分をどう見せるのかをなかなかうまくいかず、自分の気持ちを伝えられなかったんですね。ただ演技をしてからは逆にどういう風に見せたらみんながもっと自分が感じていることを受け入れてもらえるのか、それを表現することができるようになりました。

―表現というキーワードが出てきましたが、音楽を通して一番表現したいことは?

自分はすごく楽観的なんです。それこそ白米さえあればそれでいい、楽しく生きられるっていう人なんです。そんな風に、音楽を聴く人に生きる活力を与えられれば嬉しいと思っています。太陽が昇っているような、簡単に言うと毎日が満足できるように、そんな状態を音楽で与えられたらなと思っています。


Courtesy of Crowd Lu

―素敵ですね。そういえば……先ほど、自身の経歴を三段階に分けた際に、兵役の話がありましたが、兵役では具体的にどんなことをしていたんですか?

政府の機関で文章や手紙とかをやりとりする役割をしていました。

―その兵役はルーさんにどんな影響を与えましたか?

その時に所属していたのが社会福祉みたいな課で、そこでホームレスをケアする活動があるんです。例えば食べ物を持っていってあげたり、美容師を連れていって髪の毛を切ってあげたりとか、そういうことをしていました。その時に感じたのが、誰かを助ける、誰かの助けになることは、すごく簡単で、誰でも本当はできることで、それで人がすごく幸せになれるということです。

―それを歌でできたら理想ですよね

人が楽しくいられないのはどういうことかと言うと、欲しい物が得られない、もしくは貰ったもの、手に入れたものが本当は自分が一番ほしいものではない、それが一番ハッピーになれない状態だと思うんですね。だからこそ音楽を通して誰かの助けになったり、その音楽を届けた人たちが逆に自分のプラスになる、それがすごく大事なんです。自分の曲が誰のプラスになり、向こうもプラスになるのが一番大事かなと思います。

―それは本当に素敵な考え方だと思います。そして、アジアにおいて、音楽でそういうつながり方ができればいいなと個人的には思っているんですか、音楽と平和、アジアのことでルーさんは何か考えたりしますか?

自分が大好きなベーシストが「音楽とは愛の爆弾だ」と言ってたんです。その爆弾をバンって落としたその場所では、LOVEという感情が生まれて、みんなが同じ感情をシェアし、生命というのはすごく美しいものだと気付けるんです。ミュージシャンはみんなそういう思いを込めて音楽を奏でていると思うんですね。もちろん僕もそれにすごく賛同していて、いつもそういう風に思っています。

―ルーさんもそういう平和に関する歌を歌っているんですか?

平和に関して結構多く歌ってると思います。ただ、はっきりと平和に関して具体的に言葉にしているわけではなくて、どちらかというと言葉の裏に隠されてる意味を感じてもらったりとか、メロディーに関して言えば、コードでこれはすごい平和な感じだと感じてもらえるように作っています。

―ちなみに日本のファンは中国語の歌詞をわかっていると思いますか?

実は大勢のファンが中国語を学んだりしてますね。中にはちゃんと中国語を話せる人もいたりします。

―ルーさんの音楽を知ろうと勉強した人もいるわけですよね?

だと思います。中には、日本のファンのために歌詞だけじゃなくライブのトークも全部日本語に訳してくれるファンもいるんですよ。実際にその方に言われたんですけど、日本の人にも僕が何を言っているのか、とても大事なことを伝えてるのに伝わらないのはもったいないと。なぜかというとその方はうつ病だったらしくて、うつ病がクラウド・ルーの曲を聴いて治ってきたと言うんです。クラウドの言葉によって救われたから他の人にも知ってもらいたいと。それを聞いた時にすっごく嬉しくて。なぜかというと

自分が本当に伝えたいことはそういうことなんです。本当に純粋に楽しい気持ちとか無条件の愛、無条件の楽しさをみんなに伝えたかったんで。

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE