TikTokで中国の弾圧非難した少女「本当に大事なことを投げかけてみたかった」

TikTok運営は(アカウントの一時停止は)ウイグル族とは無関係とコメント

代表者が言うには、イスラム教徒ウイグル族の動画の投稿直後にアカウント停止が通知されたのは、たとえアカウントが違っていても、同じデバイスからの投稿だったからだそうだ。また、アカウントが削除される前に投稿されたウイグル族の動画は削除されずに残っている、とも述べた。

代表者は、そもそもテロ推奨コンテンツとして規制対象となった動画の詳細には言及を避けたが、アジズさんが言うには、オサマ·ビン·ラディンをティーンたちのアイドルとして描き、イスラム系アメリカ人がみなテロリストの一味だという考えを揶揄した「ブラックユーモア」だったそうだ。

「この国では、イスラム系アメリカ人はバカにされる……『テロリストと結婚すればいい、お前もテロリストなんだから』と言われ続けてきたわ」と本人。「それで考えたの、いいわ、だったら『テロリストって素敵だわ』って言う動画を作ってやろうじゃない?  ちろんジョークとしてね……でも削除されちゃった。内容を正しく理解されずにね。あんな風に勘違いされる為に作ったわけじゃなかったのに」

彼女はこうも指摘する。TikTok上にはもっと生々しい映像が撮影されたコンテンツが山のように投稿されているのに、「私が日々直面している人種差別的な意見に対抗する動画を投稿すると、削除されてしまうのよね」

概してTikTokは中国政府に批判的なコンテンツを検閲しているのか、と尋ねたところ、代表者はこれを否定し、同社が「中国への配慮からコンンテンツを削除することはない」と述べた。とはいえ、TikTokは安全性に危険があるとして、最近アメリカ政府から非難を受けた。現在、海外企業の企業買収を査定する対米外国投資委員会(CFIUS)が審議を行っている。

アジズさんのメイク講座兼抗議動画が拡散したのがきっかけで、TikTokユーザーの間では、一見無害な内容に政治的な訴えを込めることがブームになっている。彼女もデスクトップから、バスケットボールのスピンの仕方を教える動画にウイグル族の抑圧を訴えるメッセージを込めたものや、ヒジャブの被り方を伝授しつつ実はパレスチナの人権問題に触れた動画など、他のユーザーのTikTokを見ている。アカウント停止を解除されてからも、自ら引き起こした影響の大きさを目の当たりにした今、再びTikTokを使おうかどうか迷っている。

「正直なところ、私がこれ以上TikTokを続ければ、向こうはとことん私を黙らせようとしてくると思うの。だったらInstagramで話題を広めてみてもいいかな、って」と本人。「他のソーシャルメディアで何をしようと(TikTokは)口出しできないでしょう。彼らの言いなりになるつもりはないわ」

Translated by Akiko Kato

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