パール・ジャムの初テレビ出演、1992年「アライヴ」映像を回想

デビュー当時のパール・ジャム

2020年夏に行われるヨーロッパ・ツアーの日程を発表したばかりのパール・ジャム。初テレビ出演は、初めてのヨーロッパ・ツアー初日の翌日だったという。1992年にBBCで荒々しく披露した「アライヴ」を回想する。

今週初めにパール・ジャムが2020年夏に行われるヨーロッパ・ツアーの日程を発表した。このツアーは6月23日のドイツ、フランクフルト公演で幕開けし、7月22日のアムステルダムで閉幕する。アリーナ公演の間に、ロラパルーザ・ストックホルム、ベルギーのロック・ウェルフテル、そしてロンドンでの巨大フェスBSTハイドパーク2020といったフェスティバル参加が組み込まれる予定だ。

パール・ジャムが初めてヨーロッパに行ったのが1992年2月。彼らのヨーロッパ初お披露目が行われた、2月3日のイギリスのサウスエンドにあったエスプラネード・クラブに集まったのは300人弱だった。デビュー・アルバム『Ten(原題)』のヨーロッパ盤はこの時点でまだ発売されていなかったのだが、インポート盤はすでに売られていたため、この日の観客に混じったファンはすでにパール・ジャムの曲を知っていた。「なあ、みんな、俺たち、明日テレビに出るんだ。ライブみたいだぜ」と、ライブ終了間近にヴェダーが観客に教えた。そして、「ところで、ここでもそうだけど、テレビで『あっちに行け!』と言ったほうがいいヤツっているか?」と観客に問いかけたのだった。

ここでヴェダーが言っていた番組はBBC2の「レイト・ショー」で、この時点ですでにパール・ジャムが翌日この番組に出演することが決まっていた。アメリカでもまだテレビ出演を果たしてなかった彼らにとって、このBBCの番組が初めてのテレビ出演で、ヨーロッパの音楽ファンにとってはアメリカで騒がれ始めていた新人バンドの演奏を実際に見る初の機会となった。今回はパール・ジャムの記念すべき初テレビ出演で演奏された「アライヴ」を見ていただこう。

これがシアトル出身の彼らがヨーロッパの音楽ファンを魅了するきっかけとなり、その後の彼らはヨーロッパ各国のファンと強い絆で結ばれることになる。実際に、2018年のパール・ジャムのツアーでは、ヨーロッパで15公演が開催された一方で、アメリカ国内ではスタジアム4ヵ所で7公演行われただけだった。2019年はバンドとしての活動を休止したが(彼らが一度もライブ活動を行わない初めての年となった)、今週初めに来年の夏に行われるヨーロッパでの13公演が確定したと発表した。ところが、彼らの母国アメリカでの公演は現時点では一切決まっていない。すでに決まったヨーロッパ・ツアーがその後に続く長いツアーの幕開けで、いずれはアメリカ国内ツアーが実施されるのを祈るだけだ。フェンウェイ・パークやリグレー・フィールドでの球場コンサートも楽しいのだが、ファンはもっと身近に彼らを感じられるアリーナ公演に飢えている。そろそろやってほしいものだ。

Translated by Miki Nakayama

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