宇川直宏らが語る「5G時代の渋谷のあり方」

コンテンツ同士がコミュニケーションを取る時代

Yako:コンテンツ消費の時代から、全員がコンテンツになった時代かなと思いますね。

宇川:全員がコンテンツになり、コンテンツ同士がコミュニケーションを取る時代かなと思いますよね。

Yako:ニコ生の代わりになったのもイチナナとかじゃないですか。イチナナで生計を立てている子もいますしね。生配信でコンテンツになることが誰でもできるっていう時代になっちゃっているので。

宇川:コンテンツでもありメディアになったわけだよね。では、5G時代に果たしてインフルエンサーの文化がどう変わっていくのか、そもそも5Gになったらどこまでできるのかを把握しないといけないんですけど。

繁田:5Gには大きく3つ特徴があるんです。一つは高速大容量でご存知かと思うんですけど、もう一つは同時接続量が増える。もう一つはレイテンシー、つまり一瞬の遅延さえも無くなっていくっていうことですね。ARなどパッとかざした時にすぐ出てくるっていうのが当たり前になる時代ですね。

宇川:ヴィジュアリストであるYakoとCEKAIは、このテクノロジーを利用してどんなことができるの?

CEKAI:普段も仕事でこれからどうなるのかって話をするんですけど、基本的にどうやって“体験”を生むかっていう話ばかりなんですよね。映像を作る側の人間が、どうやって現場を作り出すのかっていうことにシフトしていて。体験と記録とそこで起こっている事が溶け合っていくような体験が、映像を作っていく側の人間の”映像”になっていくのかなと思います。

宇川:いいなと思ったのが、NIKEのソールの話にちょっと変わっちゃうんですけど、NIKEがヴェイパーマックスって全く新しい歩行という体験を生み出したわけ。これって体感軸なんですよ。茂木健一郎さんがいうクオリア的な意味での、ヴェイパーマックスを履いていなくても、5Gならヴェイパーマックスの履き心地を体感できるっていうのは、繁田さんどうなんでしょう? 足の裏が体感する感覚を5Gで伝えるっていうことはできますよね?

繁田:ヴェイパーマックスより高くなるかもしれないですが、十分可能ですよ。

CEKAI:皮膚感覚までも情報で飛ばせるってのはすごい面白いですよね。


Courtesy of  WHITE NIGHT WEEK

宇川:でも皮膚感覚とかも情報で飛ばせるようになって、例えばARとか拡張現実の話があるけど、じゃあ拡張ってなんの拡張?ってことになるわけ。落合陽一くんの考えてる計算機自然の文脈になってくるのかもしれないけど、拡張の意味、拡張のフェティシズムっていうのがどこにあるのか? これが5G領域で最も探り当てるべき領域であると俺は思ってるわけ。

繁田:今ご一緒させてもらってる仕事で、グローブとゴーグルをつけて、例えば東京にいるのに沖縄の海亀を触ることができるみたいなこともやっていて。旅行に行けない方とかがそういった体験をすることで、どう感情が揺れ動くのか、それで医療に役立つかとかそういうのは考えていますね。

CEKAI:今ANAで、ANAアバターっていうのを企画段階からやらしてもらってるんですけど、皮膚感覚をどうやって飛ばすかっていうのを開発しているのがアバターなんですよ。それができたら、有能な医者が少ない村でもそのロボットが一体いれば遠隔で手術ができたりとか。

宇川:実際の手術の現場でも5Gが活かされてくるんですよ。ディープラーニングしたAIと技術の高い医師がいれば、一切の遅延なく遠隔地から操作できますよね?

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