メガデスのデイヴ・ムステイン独占告白、がん公表後の沈黙を破る

何らかの「変化」があったとしても、それはバンドを継続するため

―メガクルーズ(クルージング型のフェスティバル)を休むのは心苦しかったですか?

体調が悪くて行けなくなってしまって、俺はかなり気落ちした。でも、あのとき、俺の赤血球の数値が下がってしまって、たとえ行ったとしてもそこに登場するのは、明らかに体調が悪い場違いな病人だったろうし、まるで過去に人気のあったヤツが登場する“あの人はだれ”的な感じだっただろうから、俺にとっちゃボーカリストとしてのキャリアがそこで終わってたかもしれないよ。ほんと、「クルーズに行かない」と明言するのはかなり辛かった。でも、ファンは絶対に理解してくれるとわかっていたし、彼らは最高の方法で俺の味方として支援してくれた。

カナダからメカニクスというカバーバンドを呼んで、メガデスの曲をやってもらったし、ファンにも登場してもらって、このバンドと一緒にカラオケ大会もやったんだ。ジュニア(=メガデスのベーシストのデヴィッド・エレフソン)もそのカラオケ大会に参加したはずだ。メガデスが演奏しなかったといえ、このフェスティバルは大成功を収めたよ。周知の通り、みんな本当に楽しんだと思う。今の俺は「今回これだけ楽しかったんだから、次回、俺が参加したらどうなるか乞うご期待だ。みんなで楽しむし、大騒ぎするし、今回のクレージーな闘病話を披露してやるぜ。ファンと交流するし、握手するし、楽しいことをたくさんやるぞ」と考えているのさ。

―ツアー中の生活がこれまでと変わったりしますか?

そうかもしれない。現在の生活は前と違う点があるので、今後も生活の中で少し変化が出てくると思う。ファンに理解してもらいたいことは、今後何らかの変化があるとしても、それはこの仕事を続けるために必要だってことだ。世間にはクソみたいなことをやるバンドもいるけど、俺たちは絶対にそうならない。

―どういう意味ですか?

ほら、口パクとか、あるだろ? 俺は「お前ら、脳みそないのか?」って心の中で思っちまう。でも、そういう連中は「だって、舞台に立って踊るって体力をものすごく消耗するんだもの」と言い訳するわけだ。「じゃあ、ウエイト・トレーニングでもしやがれ、あほんだら」と言いたいね。生粋のアスリートで歌って踊れるからこそ何百万ドルも稼げるし、高額チケットでも売れる。それができなきゃステージに立ってファンを誤魔化すなってんだよ。「私ってホント可愛そう。ステージでは歌わないでダンスするだけ。ファンをごまかして大金を稼いでいるんだから」って愚痴ってりゃあいいんだよ。

Translated by Miki Nakayama

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