Reiが「友だち」という言葉に強いこだわりを持つ理由

「灯台下暗し」にならないために

─「Tourbillon」は、どのように作りましたか?

Tourbillon(トゥールビヨン)というのは、機械式時計の一部の構造を回転させることによって、秒針を正確に動かすための機構、またはそれを採用した時計のことです。時間の移ろいや、流れていることの美しさについて考えることが最近多いので、秒針をイメージしたリズムセクションにしたり、曲の途中で時間の流れが変わるようなアレンジにしたりしています。

─時間について考えるようになったのは、何かきっかけがあったのですか?

以前から時間に対してはシビアな方で、意味のない時間を過ごしたくないというタイプだったんです。「この4時間の睡眠は、明日の仕事に必要だ」「今歩いているのは、昨日運動してなかったから」みたいに(笑)、かつてはすべてのことに意味を持たせようとしていました。でも、意味を持たない時間がどれだけ大切かということに、だんだんと気づけるようになってきたんです。「すべての瞬間が尊いな」って。何かきっかけがあったとかではなくて、物事の捉え方が徐々に変わってきたのかもしれないですね。

私の音楽も、パーソナリティーも「硬質で隙がなくて、カロリー高め」みたいな部分が長所であり弱みでもあると思っていて。よりカジュアルに聴いてもらうためにも、もうちょっとゆとりのある人になった方がいいのかな、みたいなことも考えたりして。そのためにもまずは、時間の使い方について考えようかなと。

─前回のインタビューで「自分は放っておくとすぐ怠ける」っておっしゃっていたじゃないですか。のんびりしようと思えばいつでも出来そうな気がしますけどね。

おそらく、本質的に怠け者だからこそ、その反発で「ちゃんとしなきゃ」という気持ちがあって生きてきたんですよね。それで今まで、「ボーッとする時間」というのを放ったらかしにしてきちゃったのかもしれないです。

─さて、もうすぐ2019年も終わりますが、振り返ってみてどんな年でしたか?

うーん……「反省」の年、かなあ。この作品が出来るまで、喉を痛めたり、その後のツアーでメンバーやスタッフに支えられて「歌」を克服したり、一緒に音楽を作っているチームのメンバーが変わったり。そんな紆余曲折が作品に反映されたと思えば良かったと言えますが、やっぱり悔しいことがいっぱいありました。ただ、私はそういう負の感情をモチベーションにするタイプなので、むしろ「悔しい」「情けない」という気持ちが、「もっと頑張れる」という次の燃料になったかなと思います。

─では最後に、2020年の抱負を聞かせてください。

Verveから上半期にインターナショナル・リリースされる予定ですので、アメリカに行ってプロモーションしたり、新しいミュージシャンと音楽を作ったりしたいです。もちろん「灯台下暗し」にならないよう、日本人として皆さんに応援してもらえるよう、これからも変化を恐れず音楽を作っていけたらいいなと思っています。



<INFORMATION>

『SEVEN』
Rei
ユニバーサルミュージック
発売中

初回限定盤


通常盤


Rei Release Tour 2020 “7th Note”
2020年2月22日(土)仙台darwin
2020年2月24日(月)札幌cube garden
2020年3月1日(日)福岡DRUM Be-1
2020年3月13日(金)名古屋THE BOTTOM LINE
2020年3月19日(木)大阪BIGCAT
2020年3月27日(金)東京Akasaka BLITZ
Tickets ¥4,000(+1Drink/整理番号付)
チケット一般発売 12月8日
https://guitarei.com/



Tag:

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE