1.(とくにインドなどの新興市場では)TikTokはすでにSpotifyよりも人気のアプリだSensor Towerはローリングストーン誌にTikTokとSpotifyの今日までの人気を示す最新データを提供してくれた(Spotifyの数値は、はるか2014年1月1日までさかのぼることができる)。今日まで、Spotifyは世界中のiOSとAndroidで約8億6430万件ダウンロードされたとSensor Towerは予測している。その一方、TikTokが今日まで獲得したダウンロード件数は15億2000万だ。
2019年1月から9月にかけてTikTokが全世界で約5億1970件ダウンロードされたのに対し、Spotifyのダウンロード件数は約1億5810万だった、とSensor Towerは指摘する。この数は、TikTokのおよそ3分の1にも及ばない。
ここでTikTokが厳密な意味での音楽アプリではない、と改めて強調するのは重要だ。でも、FTの記事が指摘しているように、ByteDance社は同社が提供する音楽の最新ラインナップとSNS動画という一大帝国を強く結びつけることができる。グローバルレベルのTikTokのリーチとブランドとしての強みは、Spotifyにとって頭痛の種となるかもしれないのだ。
こうした事実は、とりわけインドに当てはまる。インドはSpotifyが2月にサービスを立ち上げた市場であり、同社のボス、ダニエル・エクCEOはSpotifyが成長するための重要なエリアとしてインドに注目している。Sensor Towerがローリングストーン誌に提供したデータを見ると、TikTokのインドでの人気がSpotifyを凌駕していることがわかる。今年の9月末までの第3四半期のインドでのTikTokのダウンロード件数が約7620万件だったのに対し、Spotifyはこの数の8分の1程度の約930万件しかダウンロードされていない。
図:全世界のiOSとAndroidによるTikTokとSpotifyのダウンロード件数(単位は100万)
図:インドのiOSとAndroidによるTikTokとSpotifyのダウンロード件数(単位は100万)