獣神サンダー・ライガーの幸福な「最終章」と、その先に広がる「新章」の夢

引退後も「ライガーとして」生きていく道を選びたい

─最後の質問です。ライガーさんといえば、1年の大半を道場(選手寮も併設されている)で過ごすほど、新日本プロレス愛の強い選手として知られています。道場には専用の“ライガー部屋”まで用意されていて、オフの日も部屋で怪獣フィギュア制作などの趣味を楽しんでいるそうですが、あの“ライガー部屋”って、引退後にはどうなってしまうんでしょう? ファンとして、実はそこがいちばん気になっているんです。

そこかよ(笑)!! まぁ、現時点では引退後の予定についてはまったく白紙状態だし、会社からも何も言われてないんですけど、自分の中では「こういうことができればいいなぁ」っていう夢があって。実はそれが、あの部屋ともちょっと関係しているんですよ。


Photo by Shuya Nakano

─どういうことでしょう?

あくまでも個人的な夢なんだけど、引退したら道場の管理人になりたいんですよね、住み込みで。道場って新日本プロレスの選手、特に若手や練習生にとって、いちばん大切な場所じゃないですか。それを、もっと充実させてあげたいというか。たとえば食事や洗濯の世話とかね。

─いわゆる「ちゃんこ番」や洗濯といった雑事は、若手の仕事というイメージがありますが。

ツアーや試合がないときなら、そういう仕事をすることも大切ですけどね。でも、それ自体がレスラーにとって絶対必要かといえば、近頃はそうでもないわけで。できるなら、もっと練習や試合に専念させてあげたいと思う場面も結構あるわけですよ。そういうときに、サポートする人がいれば、選手の成長にも貢献できるよねっていう。今も、小林邦昭さんが食事の面倒なんかを見てくれてますけど、24時間お願いするわけにはいかないじゃないですか。でも、住み込みなら夜中でも対応できますし。

─そこで“ライガー部屋”が活きてくると。

そう! だって、僕は道場が大好きなんだもん(笑)。真面目な話をすると、若手や練習生のメンタル面のサポートもできるじゃないですか、選手寮に常駐していれば。ひとりで悩み続ける子も、いまだに結構いるんです。僕みたいなオッサンがいれば、相談に乗ってあげられると思うんですよ。将来のある若者の芽を、無駄にしたくはないですしね。


Photo by Shuya Nakano

─新日本プロレスの精神的支柱でもあるライガーさんが、引退後は大黒柱となって道場に残ってくれるなんて、まさに夢のような話です。

実現したら、僕にとっても本当に幸せなことですよね。なにしろ大好きな道場、そしてプロレスとずっと一緒にいられるんだから。しかもね! とても有難いことに、僕の“生みの親”となる永井豪先生が、引退後もぜひライガーで居続けてほしいと言ってくださったんですよ!! 僕はマスクを返上しなきゃいけないと思っていたのに。

─つまり、引退後も「ライガーとして」生きていくことができると。

そうなんです! こんなに幸せなことってあるのかな。ホント、僕は運がいいんですよ。だからこそ、これからの人生も獣神サンダー・ライガーとして幸せに、そして大好きなプロレスに恩返しができるよう、大切に生きてきたいですね。


獣神サンダー・ライガー(じゅうしんさんだーらいがー)
1989年4月24日、新日本プロレス東京ドーム大会で、小林邦昭を相手にデビュー。同年5月にIWGPジュニアヘビー級王座を獲得。以降、現在に至るまでジュニアヘビー級戦線の中心を担う存在として活躍を続けている。ファン目線を大切にする試合解説も人気だ。2020年の東京ドーム大会で2つの引退試合が予定されている。



<INFORMATION>

WRESTLE KINGDOM 14 in 東京ドーム
2019年1月4日(土) OPEN 15:00 / START 17:00
2019年1月5日(日) OPEN 13:00 / START 15:00

【獣神サンダー・ライガー選手出場試合】
2019年1月4日(土)
獣神サンダー・ライガー引退試合(1)
60分1本勝負
獣神サンダーライガー&藤波辰爾&ザ・グレート・サスケ&タイガーマスクwithエル・サムライ vs 佐野直喜&大谷晋二郎&高岩竜一&田口隆祐with小林邦昭
●特別レフェリー:保永昇男

2019年1月5日(日)
獣神サンダー・ライガー引退試合(2)
カード未定(2019年11月21日現在)

https://www.wrestlekingdom.jp/

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