BABYMETAL、イギリスからの盟友BMTHと繰り広げた「奇跡の共演」

“音と映像を全身で浴びる”ようなBABYMETALのステージ

短いインターバルを挟んで、ついにスタートした『METAL GALAXY』リリース後初のBABYMETAL日本公演。アルバム同様にインストゥルメンタルナンバー「FUTURE METAL」から始まると、ステージ後方一面に用意された巨大スクリーンに映されたCGによる映像演出と相まって、どこか機械的でひんやりとした空気が伝わってくる。が、会場の空気はそれとは相反しどんどん熱量が高まっていくことが感じられ、ライブに対する期待がさらに大きくなることに。そしてSU-METAL(Vocal & Dance)、MOAMETAL(Scream & Dance)にダンサー1名を加えた3人がステージに姿を表すと、そのままアルバム通り「DA DA DANCE (feat. Tak Matsumoto)」へとなだれ込む。


Photo by Taku Fujii





上昇するステージセット上で3人は息の合ったダンスを見せつつ、SU-METALはこれでもかといわんばかりの伸びやかな歌声で観客を魅了。その状態はまさにベスト中のベストと言えるもので、正直これまで観たBABYMETALのライブの中でもトップクラスのものだったと断言できるほどだ。3曲目には早くも「ギミチョコ!!」が登場し、場内に絶叫に近い歓声が響き渡る。この曲で特に感じたことだが、今回の日本公演における映像演出、特に巨大なスクリーンにメンバーの表情をこれでもか!と映す演出は“美の暴力”と言わんばかりの強烈さがあり、以前のBABYMETALにはなかった感情を覚えることとなった。また、この日は神バンドの演奏を含む音響バランスも良好で、まさに“音と映像を全身で浴びる”ような感覚に陥ったことも付け加えておく。


Photo by Taku Fujii

以降、「Elevator Girl」や「Shanti Shanti Shanti」など最新アルバム『METAL GALAXY』からの楽曲が続くが、特に「Shanti Shanti Shanti」のキラーチューンぶりには筆者もニヤリとしてしまった。今年6月に横浜アリーナでの『BABYMETAL AWAKENS -THE SUN ALSO RISES-』レポートで、筆者は初披露された「Shanti Shanti Shanti」に対し「ザクザクと刻まれるギターリフと力強いビート、そこに重なる妖艶なメロディ&ダンスはBABYMETALにとって新境地といえるもので、ライブにおける大きなフックになったことは間違いない。こちらも今後のライブで重要な役割を果たす1曲になるはずだ」と記したが、この予想が間違いでなかったことをあれから4カ月経って再びライブ会場で実感することとなった。






Photo by Taku Fujii

レーザー演出を多用した幻想的な「Starlight」、MOAMETALが見せる大人の表情が印象に残ったモダンメタル「Kagerou」、新たなアンセムと化したサークルモッシュ必須の「Distortion (feat. Alissa White-Gluz)」を経て、おなじみの人気ナンバー「メギツネ」のイントロが始まると場内はより一層大きな歓声に包まれる。パフォーマンスはいつも通り、いや、ここ最近の中でも最高の部類に入るものだったが、巨大スクリーンに映されたSU-METALやMOAMETALの笑顔を目にして、あの場にいた者なら、きっとこの感情を理解してもらえるのではないだろうか。


Photo by Taku Fujii


Photo by Taku Fujii







その後も「PA PA YA!! (feat. F.HERO)」や「KARATE」と新旧の王道ナンバーに続いては、いよいよ「Road of Resistance」の時間へ。SU-METALの「かかってこい!」という煽りには逞しさすら感じられ、それを前にしたオーディエンスも多数のサークルピットを作り応えていく。曲終盤ではこの日一番のシンガロングも沸き起こり、思わず笑みをこぼすBABYMETALの面々。彼女たちも、ワールドツアーが始まってからここ日本でのライブを待ちわびていたのかもしれない。

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