カルメン・マキ&OZ再結成ツアー、3時間強の初日公演で見せつけた「真髄」

 
春日博文から炸裂するギター、厚見玲衣のメロトロンを始めとするキーボード群の音色、武田“チャッピー”治と川上シゲが繰り出す無骨なまでのリズムは、頑なまでに70年代当時の彼らの音。あの時代を生き抜いてきた者だけが出せる唯一無二のサウンドであり、令和の時代にも違和感はない。そこへカルメン・マキの地を震わせるような声量と天にまで届くかのような迫力あるセンシティブなヴォーカルが畳み込まれる。その凄まじいまでの表現力にオーディエンスも身体を震わせることを忘れ、しばし呆然と見惚れるほど。圧巻はマキOZの代表曲でもある「私は風(1975)」。

この曲を演るのは、やはり特別なものがあるのだろうか。演奏前にメンバー全員が一呼吸を入れる。そしてイントロが奏でられや場内から怒涛の歓声が上がる。冒頭の静かなパートではマキが『一緒に歌おうよ!』と客席にマイクを向けると1000人の大合唱が始まった。続くメイン・パートに備えオーディエンスは来るぞ、来るぞと身構える。そして遂に来た本曲のハイライト。場内はこれ以上はないと思えるほどに盛り上がる。転がるように次々に繰り出されるサウンドの洪水に観客は陶酔し場内はカオス状態。20分超に及んだ一大抒情詩は、ハード・ロックとプログレッシブ・ロックの真髄をこれでもかと見せつけた。

インターミッションを挟んで3時間強。終始、オーディエンスを圧倒し続けた貫禄のパフォーマンスで、再結成ツアー初日を終えた。この後、彼らは40数年ぶりにツアーに出る。『メンバーみんな還暦過ぎて、下手すりゃ古希だもん。死なないで帰って来れりゃ、いいんだけどね』とマキは客席を沸かせた。カルメン・マキ&OZ再結成ツアーは、11月28日(木)に札幌、12月4日(水)に大坂、5日(木)に名古屋。12月13日(金) に福岡で千秋楽を迎える。各公演のチケットのお求めは公演オフィシャル・サイト参照。


Photo by 畔柳ユキ


 
カルメン・マキ&OZ
45th Anniversary and “the Last Tour” 2019
11月28日(木) 開場18:30 / 開演19:00 / 札幌・ZEPP札幌  
12月4日(水) 開場18:30 / 開演19:00 /大阪・なんばHatch 
12月5日(木) 開場18:30 / 開演19:00 /名古屋・ダイアモンドホール
12月13日(金) 開場18:30 / 開演19:00 /福岡・イムズホール
※チケット価格(税込/全席指定):12,000円

公演オフィシャルサイト:
http://clubcitta.co.jp/001/carmenmaki-oz/

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