『スター・ウォーズ』シリーズ最終章の監督J.J.エイブラムスが語る「挑戦と敬意」

J.J. エイブラムス(左)とアダム・ドライバー(右)(Jonathan Olley /Lucasfilm Ltd.)

いよいよ来月公開のシリーズ最終章となる『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』。脚本兼監督を務めるJ.J.エイブラムスが、米ローリングストーン誌のインタビューで、終わりを迎えるサーガへの挑戦、ファンからの批判、ジョージ・ルーカスへの敬意について大いに語ってくれた。

僕は、今から100年後に子供たちがこの9本の映画を見ているのをよく想像するんだーー。


映画監督のJ.J. エイブラムスは『スター・ウォーズ』の新作について話してくれている中、その製作作業を進めていくためにインタビューが中断され続けている。彼は、自分の製作会社バッド・ロボットのサンタモニカに構えるウィリー・ウォンカにふさわしい本社の2階にある自分のオフィスにいる。そのアシスタントはメモを渡すためにドアを開けっ放し、エイブラムスのiPhoneには、映画の視覚効果スーパーバイザーからのメッセージが段々と緊急性を要しているかのように届く通知音が鳴り響く。彼は、ジョン・ウィリアムズが12月20日公開の『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』のスコアを通しでオーケストラ指揮をしていたソニースタジオから戻ったばかりだ。 ちょうど先週、エイブラムスはバッド・ロボット社にあるグリーン・スクリーンの部屋で、再撮影をしていた。インタビュー当時は10月中旬。公開まで71日だ。

ルーカス・フィルムの社長キャスリーン・ケネディが脚本を却下したと伝えられるまでは、エピソード8は『ジュラシック・ワールド』のコリン・トレヴォロウが脚本と監督をやることになっていた。そして、ルーカス・フィルムはお互いに別れる道を選んだとしている。それにより、2015年の『フォースの覚醒』を監督したエイブラムスには、共同脚本家のクリス・テリオと一緒に戻ってゼロから始めるチャンスが巡ってきた。だからこそ、今は切迫した状態が続いている。

「監督って、教師になるよりもはるかに簡単なんじゃないかな」とエイブラムスは言う。「でも、今回はかなり特別な難題があるんだ。特に演出をしているとき、シーンに人間ではない人がいる場合だ。もう生きていない人が出てくるシーンの場合もある」。エピソード8での試練は、現代世界で最も愛されている物語の1つに満足のいく結末を作り出すことに加えて、キャリー・フィッシャーの2016年に起きた突然の悲劇的な死に向き合うことだった。 ルーク・スカイウォーカーやハン・ソロとは異なり、レイアのキャラクターはまだサーガの中で生きている。ジレンマに陥ったエイブラムスは『フォースの覚醒』の未使用映像を使うことで難題を解決した。

エイブラムスは、ディズニーのライバルであるワーナーメディアと大規模なプロダクション契約を結んだばかりだ。これにより、スーパーマン、バットマン、その他のDCコミックスの英雄たちを自分の手に入れることができた。1階には風変わりな装飾がされている中にスーパーマンの相当な数のオモチャが置かれている。「まだそういった話し合いはしていないんだ」とエイブラムスは語るが、その言葉にはあまり説得力がない。

―『フォースの覚醒』の時と同じように、今回も望み通りのスケジュールではなく、タイトですね。それがどれほど大変なものになるのか気づいていましたか?

気づいていたかどうかなんて全くわからない。今回は前回以上にものすごく野心的だからね。

―どうしてですか?

これは終わりであって、始まりではないんだ。1つの3部作だけでなく、3つの3部作の終わりでもあるんだ。規模の面では、かなり大きな映画になった。物語的に言うと、どこを見ても、今まで以上にたくさんのことが起きている。視覚効果でも、動き回るものが増えている。この映画は僕がこれまで関わった中で一番難しいものだね。格段に大変だった。キャシー(キャスリーン・ケネディ)が僕に電話をしてきた時から凄まじい勢いだった。目的や理由、やり方を考えるのは大変なことだけど、「わかったぞ」と思いたくはないね。だって、そうしたらヘマをしてしまうからだ。

Translated by Koh Riverfield

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