三代目JSB・ELLYがソロ初CDを出せた理由「好きだという情熱を会社にどう伝えるか?」

「会社」が認めたELLYの情熱

―ソロ活動をスタートさせた時はCRAZYBOY名義で「NEOTOKYO」っていうコンセプチュアルなテーマがあって、今年8月からCrazyBoyに表記が変わり、それに合わせて曲の世界観もパーソナルなものになってきてますよね。ただ、これまで以上にグローバルな広がりを見せている。

LAに行って現地の人たちに「DONNA???」を聴かせた時も、「ワールドミュージックじゃん!」「日本語のところは何言ってるかわからないけどノレる!」って言ってくれて。LAでライブをしたんですけど、一緒に行った臣(登坂広臣)がビックリしてました。みんなジャンプして「CrazyBoy、ヤバい!」って熱狂ぶりで。LDHの上層部の人たちもその場にいましたけど、どういうことなの?って。会社にもCrazyBoyのことをあらためて気づかせることができた。それも大きかったです。でもソロでのこれまでの一連の活動は、僕にとって下積みでもあるんです。その状態でこれだけの反応があるってことは、2020年のオリンピックイヤーに合わせて自分のソロを世界に向けて広げていく作業は絶対にやりたい。



―以前、RSJでインタビューしたリッチ・ブライアンの話が印象的で。自分はヒップホップのコミュニティに属してたわけじゃないけど、ヒップホップが大好きで自作のラップしてる映像を日々YouTubeに投稿してたら、それを見たアメリカのラッパーが連絡してきて、そこからネットワークが広がっていったと。そういうのもヒップホップ・カルチャーの素敵なところですよね。

間違いないですね。

―CrazyBoyの音楽もそういう広がり方してるわけじゃないですか。会社に頼るわけではなく。

ギャップが凄いですよね! 大きな事務所にいるのに、ストリート的な感覚でいろいろやっちゃうというか。俺たちで直接やろうぜ!って始めて、あとで会社の人に説明すればいいやって。持ってきてもらうんじゃなくて、こっちで先にやってしまう。

―「俺はこれがやりたいんです!」っていう気持ちも大事だけど、自分が所属する組織のボスや上の人たちに可愛がられるのも大切ですよね。人間力というか。

めちゃくちゃ大事だと思います。

―ELLYさんの一連のソロ活動を見てると、そういう部分もちゃんと考えてやってきてるんじゃないかなと思ったんですが、どうですか?

それは鋭いですよ! その質問をされるのは初めてなんですけど、今では普通とはいえ一番大変な作業でした。音楽作るより大変と言ってもいいかもしれない。パフォーマーがマイクを持つことが、そもそもありえない世界なわけです。そこを突破するにはバカなフリをするしかない。で、三代目のライブ中にPA卓にいきなり行ってマイクを取ってラップしたんです。ありえないでしょ。「何してんだ、あいつ!」ってなりますよね。でも僕はバカなフリをして「どうでした?」って。その結果怒られたんですけど、「あいつはマイクを持ちたいんだな」っていう認知はしてもらえた。認知してもらったら、その後は自分の情熱だけです。同じことをまたやる。怒られる。やめろって言われる。でも続ける。その繰り返し。あとCDを作ったんですよ。自分で焼いて15枚くらい会社で配って。「CDできたので聴いてください!」って。それを2〜3年続けて「また作りました。聴いてください!」「俺、CD出したいんです!」って。でもダメだった。

そこでまた考えたんです。どうしたら会社の人たちが納得してくれるだろうって。CDを出すには予算がそれなりにかかるから、会社のお金を使ったプロジェクトになってしまう。で、それまでEXILE一族の中で誰も配信リリースしたことがなかったから、デジタルだったらお金かからないんじゃないですかって言ったら、それならやってみるかって話になって。好きだという情熱を、バカなりに考えて、バカなフリをして伝えていく。しんどくはなかったですけど、戦うのは大変でしたね。

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