ユアン・マクレガー、映画で演じたキャラクター・ランキング

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18位 『マネートレーダー/銀行崩壊』(1999)
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1990年代に複雑な詐欺行為を通じて、ブローカーのニック・リーソンは、シンガポール国際金融取引所で巨額の不公正取引を多数行った。最終的には刑務所に収監されるが、イギリスで最古の金融機関の1つを破綻させてしまう。マクレガー演じるリーソンは才気あふれるやり手で、その彼が犯した主な罪は忠誠心とプライド。彼にとって最初の不正行為は同僚の間違いを隠蔽する結果から生じる。後年の彼の失敗は自信過剰と市場を支配したいという願望が原因だ。胃が痛むような不安感が映画の中に漂っているが、マクレガーは観客を詐欺師側に感情移入させる素晴らしい仕事をしている。彼がしていることは明らかに違法であるし、それは絶対に最悪な結果をもたらすことになるのだが、この男に感情移入しないのは難しい。

17位 『ガンズ&ゴールド』(2014)
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マクレガーが正真正銘の愚劣な男を演じる姿の清々しさを思い出す必要があるのならば、この憂鬱な刑務所からの脱獄映画でありつつも意外な展開が起きる強盗スリラー映画でもあるこの作品を見るのを勧める。この映画でのマクレガーは刑務所暮らしを強いられているタフなオーストラリアの銀行強盗の役だ。ブレントン・スウェイツ演じる若い囚人が刑務所に収監されると、マクレガーはスウェイツを刑務所仲間のグループに入れ、大胆な脱出を計画する。そのあとには、彼らは突拍子もない金塊強奪に乗り出し、その結果には予想通りに裏切り行為がある。この映画では、マクレガー演じるキャラクターを正確に理解することは難しい。彼はある時は病的なまでに暴力的になったかと思うと、次の瞬間には徹底的に優しくなっている。結局のところ、この作品はマクレガーの演技の振り幅を見せてくれる素晴らしいショーケースではある(アクセントのことについては別だ。彼はオーストラリアの陽気な話し方はせずに、スコットランドの話し方にかなり寄せている)。

16位 『われらが背きし者』(2016)
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そう、マクレガーはこの映画では、他の出演者全員と一緒に、ステラン・スカルスガルドの演じる陽気で、冷たく、優しい役に人気を奪われる。その役はマクレガーと協力して残忍な敵役を倒すロシアのギャングだ。しかし、マクレガー演じる主人公は塞ぎ込みながらも知識欲の旺盛な真面目な男であり、このジョン・ル・カレの原作の映画化には非常に重要な存在だ。この作品は本質的には、全く異なるタイプの男2人の間に極めて稀に築かれた友情関係を描いた映画である。マクレガーは結婚生活が危機に瀕している大学教授を演じ、そのあまりの退屈な生活は、ある意味で、物語が進展する中でスパイ映画ではよくあるずるい手段を隠すには最適なものだ。彼はジミー・スチュワートと『三十九夜』主演のロバート・ドーナットを混ぜ合わせた理想的な人物である。また、キャラクターの葛藤を効果的に伝えている。自分の置かれている状況に魅了されつつも、それにいくらかは戸惑いも見せている。

15位 『ピーター・グリーナウェイの枕草子』(1996)
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肌に文字を書くことに虜になった日本のモデルを主人公にしたピーター・グリーナウェイ監督によるこの映画はとりわけ難解な内容であり、マクレガーは中盤ぐらいまでしか出演していない。その役はバイセクシュアルの翻訳家であり、ヒロインと激しい恋に落ち、その後、有力な出版社へのパイプ役になることを受け入れる。そして、基本的には彼女は彼の体に自分の作品を書くことができる。そのシーンの演技は驚くほどにセクシーで艶かしい(この時は、彼が積極的にオールヌードになることで有名になった時期だった。ただ、正直に言って、マクレガーがそのことに全く問題がなかった理由を理解するのは簡単だ)。しかし、彼がグリーナウェイの冷ややかで考え抜かれた物語に暖かさを注ぎ込むのは意外だった。彼の演じるキャラクターが自殺する時、ボトルに入ったインクを自然に飲み込み、我々はその時のヒロインの悲しみと裏切りの感覚を共有する。

14位 『アメリカン・バーニング』(2016)
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長編映画の監督デビューとして、マクレガーは本物の獣に取り組んだ。小説家の故フィリップ・ロスによる戦後の覚醒と60年代の闘争の素晴らしい叙事詩だ。だが、マクレガーの望むほどには映画はうまくいかなかった。『アメリカン・バーニング』は20世紀後半のアメリカの本質への恐ろしい旅路だ。しかし、主役のスウィード・レヴォヴはマクレガーにとって理想の役であり、長年にわたって完璧に演じてきた2つのタイプが組み合わさっている。イケメンで男らしい美徳を持つ人と、人を惑わす理解不能で複雑な関係にとらわれてしまう無実の普通の人だ。映画はそれ自体が凡庸であるためにうまくいっていない。ただし、彼は演者としてこの作品で真の素晴らしさを示したように見える。

13位 『普通じゃない』(1997)
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マクレガーがダニー・ボイルと『トレインスポッティング』のチームと3回目のタッグを組んだこのラブコメ映画は、無理やり感があって、退屈な誘拐事件を描いているが、その中でマクレガーが飛び抜けて一番いい。彼が演じる男はロサンゼルスで管理人の仕事をしているが、その仕事を失い、何かの拍子で上司の問題のあるキレイな娘を演じるキャメロン・ディアスを人質にしてしまう。デルロイ・リンドーとホリー・ハンターが演じる銃を持った天使のキャラクターも存在していて、この作品は歪んだ奇抜な恋愛映画として作られようとしたが、奇抜さのための奇抜さで終わってしまい、それはほぼ無意味なものになっている。それにも関わらず、マクレガーはこの映画でほとんど痛手を負っていない。完全に場違いな若者の役を演じている姿を見ていて、観客はまだまだ大いに楽しめてしまう。この映画が成り立っているのは、ほぼ完全に彼の圧倒的な魅力のおかげだ。

12位 『T2 トレインスポッティング』(2017)
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この映画はうまくいくべきではなかった。そう、ある意味でこの映画はうまくいってしまっているのだ。20年以上前の『トレインスポッティング』1作目からキャラクターを再登場させたダニー・ボイルは友情、恩義、後悔、裏切りに目を向けるが、それは残念なもので型にはまったものになっている。マクレガー演じるレントンは、エディンバラに戻って数十年前に裏切った仲間のジャンキーたちと再会することで、物語が動き出す。まず、彼らの変化によって、マクレガー自身のリアルなスターの地位が面白いように映画に映し出されている。マクレガーの主人公には健康的で幸せなサクセスストーリーがあるが、他のみんなは落ちこぼれている。彼はだいぶ昔に悪い少年のイメージを脱ぎ捨てて、信頼できる頼りがいのあるイメージになっている。その演技は感動的なもので、かつての自分に対する嫌悪感と物悲しさの両方がその演技には混ざり合っている。彼が高級レストランで「人生を選べ」というモノローグを思い出し、SNS世代に合わせてその言葉を言い直すときには、気の荒い若い頃のレントンが垣間見える。もちろん、悲しげな今のレントンの姿も見える。裕福で中立的な立場にいるレントンは、いろいろな新しい手段をもって、誰も傷つけないように生きている。

11位 『ゴーストライター』(2010)
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ロマン・ポランスキー監督による迫力ある政治的サイコスリラーの本作でマクレガーが演じる役は、問題の多い元英国首相(ピアース・ブロスナン)の自叙伝を執筆するために雇われた作家で、この雇い主に疑問を投げかけては、いろいろな陰謀説をでっち上げる(それは当然だ。この仕事のために雇われた以前のゴーストライターが興味深いことに死亡していたからだ)。この映画は実際にはブロスナンの素晴らしいパフォーマンスの見せ場となっている。無情で、冷淡で、謎めいた政治家であり、トニー・ブレアのように国家を悲惨な戦争へと導くことに一役買った。だが、マクレガーはそれ以上のことをしているとも言える。また再び、あまり派手でない役を演じていて、結合組織も提供する人物であり、その好奇心と恐怖心が独特の雰囲気のある物語を推し進めている。映画が不気味なほどに残酷なエンディングにたどり着く頃には、自分がこのキャラクターにどれだけ時間をつぎ込んでいるのかということに驚くかもしれない。

10位 『人生はビギナーズ』(2010)
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マイク・ミルズの心温まるこのコメディドラマに出演しているマクレガーの役は、年老いた父(クリストファー・プラマー)が亡くなる数年前に、母に先立たれて、ゲイだと告白してきた時のことを思い出す。プラマーはこの父親役でオスカーを受賞。結局のところ、この映画がうまくいったのは、残された数年間の人生で多くの経験を詰め込もうとする男を繊細にそして複雑に表現したプラマーの演技だ。しかし、ここでもマクレガーは非常に素晴らしい。この映画の構成は、マクレガー演じる息子が父親と過ごした最後の日々を思い出しながら、その思い出を新しい人間関係に踏み出そうとする息子の姿に反映する形になっている。そして、マクレガーは、プラマーがあからさまに演じていることと同じことを曖昧な形で演じなければならない。その2段構造で見せる演技は素晴らしい。

Translated by Koh Riverfield

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